Horseman's Column title

    VOL.81「尻馬

 2017年1月号

 新年明けましておめでとうございます。

 旧年中は、多大なるご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。

 本年もより一層のご厚情を賜りますようお願い申し上げます。

               2017年元旦

 さて、今年初めてのテーマは、昨年の締めくくりで「ホースマンシップ」について考察したので、2017年の最初は、ファウンデーショントレーニングの一つである「尻馬」を取り上げてみたいと思う。

 当然「尻馬」というのは馬術用語でもなければ、乗馬の日常会話に出てくる慣用語でもない。

 私が勝手にネーミングした言葉で、このネーミングについては賛否があると思うが、あまり気にしないで頂きたいものである。

 さて「尻馬」とは、馬のストレッチとステップのコントロールのトレーニング法で、結果としてビットレスポンスとバランスコントロールを向上させるトレーニング法である。

 ウォークでインサイドレインを引いて、馬の頭を馬自身のヒップへ向けて引き馬体のストレッチを行い、このとき馬の前肢がレインを引いた方へステップする原則を学習させるトレーニングである。
 このことによって、リブケージや後駆など馬体の柔軟性やビットレスポンス(ビットコンタクトに対する反応)をレベルアップさせる。

 「尻馬」のトレーニングを始めた初期段階では、多くの馬がアウトサイドステップ(前肢)したり内方へ切れ込んだりしてするので、内方へ切れ込まずに徐々に前肢がインサイドステップすればいいという程度で考え、焦ることなく徐々にリブケージやハインド クォーター(後駆)の柔軟性を求めるようにすることが大切だ。
 もう一つ重要なことは、ライダーのポジショニングで、スティラップに負重せずシートに垂直の姿勢をとり、イメージとして後駆へ座るような姿勢をとることで、この姿勢をとることによって柔らかな推進力を生むことができ、内方へ切れ込まれなくなるのである。

 前肢のアウトサイドステップをインサイドステップへと矯正するには、アウトサイドレインをホールドして、外方からショルダーの動きを拘束するようにすることである。また、外方脚を前寄りに使いショルダーの外方への動きを防ぐようにすることも必要である。


 しかし、あくまでもインサイドレインに反応して前肢がインサイドステップするように心掛けなければならない。

 このとき、後肢もまたアウトサイドステップするケースが多いが、後肢のステップはフリーで特に拘束しない。

 インサイドへレインを引いたとき、馬のビットレスポンスとして抵抗が少しでも小さくなったとき直ちにリリースして、左から右へまたは右から左へと反対サークルへ移行すること。そして、左右交互に行いながら、馬の頭がヒップにつく位まで柔軟になるように深く求め、前肢のインサイドステップもまたレインのインサイドテイクに反応するように起きるように求める。
 そして、運動の移行として、左右の切り替えるとき馬を停止させずに移行することもまた重要である。
 このエクササイズが進んで行くにつれて、左右の切り替えがスムースになり、反対側へ移行するときに、馬が進んで求める方向へ頭を向けるようになるはずで、もしそのような変化が現れないときは、リリースに問題があったり、左右の移行のとき馬が停止してしまったりしているからかも知れないので、注意しなければならない。

 また、馬によってインサイドレインを引いたとき、インサイドへ切れ込むようにバランスを崩すケースがある。
 この反応は、ライダーにも不安感を生じさせるので、脚を絞ってしまったりついつい馬に捕まってしまったりしてしまうので、落ちついてゆっくりとやることと、ライダー自身のポジショニングを確認して、決して鐙を踏み込まないようにして後肢へ負重するようにし推進すること、また外方レインを外方の腰へ引きつけるようにテイクして、肩が内方へ切れ込むのを防止したり内方脚でインサイドステップが起きないようにガードしたりするか、インサイドレインを馬のヒップに向かってより引っ張るようにすれば、肩が倒れてインサイドへ切れ込まなくなる。

 最初は、インサイドレインを引いたときインサイドへ切れ込んでも、最終的にはインサイドレインを引いても切れ込まなくなるように前肢がインサイドステップするようにしなければならない。

 このトレーニングの最終段階では、インサイドレインを引いたとき、全く抵抗なく頭をヒップへ向け曲げられるようになり、レインをテイクした方へ前肢がステップすることである。
 このことが容易にできるようになれば、後肢はアウトサイドステップすることなく、特に外方後肢がインサイドステップするようになるのである。

 このトレーニング法は、馬体の柔軟性やメンタルの従順性を飛躍させ、馬とライダーのコミュニケーションやパフォーマンスを進展させ、新馬は勿論、ショーサワーになってしまった馬やビットレスポンスが硬くなってしまった馬の矯正が容易にできるのである。

2016年12月7日
著者 土岐田 勘次郎

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