Horseman's Column title

VOL.138「できる人とできない人」


2021年10月号

 今月は、できる人とできない人について、考察してみたいと思う。

 人間も人間でなくても、行動はミクロの世界で起きていることであり、ものの動きは全てミクロの世界で起きていることなのである。そのミクロで起きていることの複数が何かの関連性や因果関係によって、点が線になり面や立体化するようになったとき初めてマクロを形成するのである。
 以上のようにものごとは、その構成要素の組成というメカニズムによって形成しているのである。

 そして、ものごとができあがるとは、ミクロとしての行動の複数の結果が、マクロとして線や面や立体化するように形成されることなのである。
 マクロとして形成されるには、ミクロの動きが何ごとかの指針や目的によって成されていて、幾つかの結果をその目的や指針に沿って取捨選択されることが必然なのである。

 ミクロの結果が取捨選択されるときに、マクロの指針や目的に沿っているかが重要なのである。ところが、ミクロの一つ一つに結果が出ても、そのときマクロの指針や目的に沿っているものなのかそうでないのかを、明確に判断することは困難なのである。しかし、それをやってのける人ができる人で、指針や目的に沿ったマクロを形成できない人ができない人なのである。

 できない人の多くの場合、マクロの指針や目的が明確になっていないことが多いのである。従って、ミクロの一つ一つの結果が、マクロを形成するかどうかを判断することはとてもハードな仕事になってしまっているのである。

 何故なら、誰も見たことのない結果を出そうとしたり未知の結果を導き出そうとしたりするのに、指針や目的が明確であるはずがないのである。

 こんな状況の中、マクロの指針や目的が明確でないときに、経験やイメージや発想などが大きな役割を果たすこととなるのである。それでも、失敗はするものなのである。

 成功と失敗の分かれ道は、経験やイメージや発想などを認識してミクロの行動をするか、あまり認識しようとせずにミクロの行動をしているかどうかなのである。

 多くの凡人は、経験やイメージや発想をあまり認識することなく行動を取り、失敗を繰り返すのである。非凡な人は、ミクロの行動を取るときに、経験やイメージや発想を強く認識するのである。
 そして、凡人も非凡な人も失敗して、凡人は只行動を繰り返すのに比べて、非凡な人は、認識していた経験やイメージや発想と失敗の結果とを検証して、ミクロの行動を切り替えるのでなく、先ず経験やイメージや発想を切り替えて、再度ミクロの行動をしようとするのである。
 そして、非凡な人は、成功するまで、これを繰り返すのである。従って、非凡な人は、成功したときの発想やイメージをその結果と符合させて経験値を積み上げるのである。

 凡人は、成功したとしても、何をしたから成功したという記憶は残るが、どんな発想の元にミクロの行動をしたかという記憶は残らないので、ステディな成功を生み出すことにはならないのである。

 我々の社会では、才能のあるなしで、成功と失敗が決まるかのようにいわれていますが、ミクロの行動のときに、マクロとしてのイメージや目的、そして発想を明確に認識しているかどうかが違うのである。

 イメージや目的や発想を認識するかしないかが、凡人と非凡な人とでは違うのである。

 凡人は、イメージや発想を認識せずに行動を取るので、手法に気を取られて手法ばかりを追いかけてしまうのであり、経験値を上げることは到底できないのである。
 行動をするとき、こんなイメージや発想をしていたので、こんな結果が生み出されたと思えれば、イメージや発想を変えたり改善したりして、手法もまた改善したり変えたりすることができるのであるが、行動において発想やイメージを認識していなければ、只手法を狭い視野で変える程度のことしかできないのである。

 成功すると思って行動する場合と失敗すると思って行動する場合とでは、成功する確率がまるで違うという話を良く聞くが、熟練しない段階で、誰でも成功をイメーしながら行動することは難しいのである。
 しかし、行動する前に、自分はどんなイメージや発想しているのかを確認することは容易である。従って、行動の事前にイメージや発想を認識することがとても重要で、それが成功をイメージして行動することに繋がり、成功の確率を高めることなのである。

 当然行動する前に、行動の目的を認識することは容易であるが、分かりきっていると疎かにしがちなのもいうまでもなく、まして抱いているイメージやどんな発想しているのかなんて、一々確認しようとしなければ、心の奥底に眠らせてしまっているのである。
 こんなことでは、凡人のそしりを免れないのである。

 人は、行動する限り成功は約束されていると思う。

 そしてその約束は、行動の事前にイメージや発想を確認してしっかり認識しておくことが必須要件なのである。

 世の中にはできる人とできない人の存在があり、多くの確率で中々できるようにならない人の場合、そのやり方についてあれこれと思考を巡らせたり、原因の所在をはっきりさせたりしようとはしない傾向にある。

 要は、できる人になることが重要であり、実際成功するとそれまでとは見える世界がまるで違うのである。

 そのためには、行動の前に自分の持っているイメージや発想がなにものであるかを認識して置くことが、何よりも優先してしなければならないことなのである。

2021年9月2日
著者 土岐田 勘次郎

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