VOL.23 「馬の調教2 運動エナジーの発揮(進行方向)」 |
2012年3月号 今月のテーマは、先月に引き続き馬の調教で、先月はメンタルのメカニズムについて解説しましたが、今月はフィジカルの運動について解説したいと思っています。 さて、ものが動くということは、最低二つの運動エナジーがある角度を以て交わり、その交わった複数の運動エナジーの角度と力量の中間点が、そのものの運動ベクトル(方向性)となり、その方向へと移動する。 また、馬の進行方向は、前肢と後肢のステップ角度の誤差によって決まる。 馬の縦の中心線とステップとで作る角度において、前肢のステップと中心線とで作る角度をAとし、後肢のステップと中心線とで作る角度をBとし、進行方向をCとすると次の通りとなる。 @ A>B=C A A<B=C B A=B=C @ 前肢のステップ角(A)が後肢のステップ角(B)より大きい場合、運動方向(C)は前肢のステップ方向と一致する。つまり前肢が左にステップしているとすると、この場合馬は、左回転運動するということです。 A>B=C A 前肢のステップ角(A)が後肢のステップ角(B)より小さい場合、運動方向(C)は前肢のステップ方向と反対になる。つまり前肢が左にステップしているとすると、この場合馬は、右回転運動となるということです。 A<B=C B 前肢のステップ角(A)と後肢のステップ角(B)が同じ場合、運動方向(C)は前肢の運動方向へと、馬体の中心線が平行移動するような直線運動となる。 A=B=C |
実際に馬の運動方向は、前後肢のステップ角だけで決まるわけではなくて、複数の運動エナジーの交わることにより、その中間点に運動方向が決まるので、前肢のステップ角(A)と後肢のステップ角(B)とにかかる運動エナジーの大きさの差によって、運動方向(C)が決まるので、(A)と(B)との運動エナジーが同じ場合において上記のメカニズムが働き、(A)と(B)との運動エナジーに差がある場合は、例えば(B)の運動エナジーが大きい場合は、(A)の角度を大きくすることはできないので、前肢のステップ方法と反対方向の回転運動となりその回転半径はより小さくなるということなのです。 以上の二つの運動エナジーが交わる中間点に運動方向が決まるというメカニズムと、前後肢のステップ角の差によって運動方向が決まるというメカニズムとの二つのメカニズムを理解して、馬を誘導する必要があるということです。 そして、実際ライダーは、プレッシャーによって馬が発する運動エナジーを最低二つ作りだして、その運動エナジーが交差することによって、その力量や交わる角度が馬のステップとして繁栄されて、上記のステップの法則によって馬の進行方向をコントロールすることができるのです。 馬をガイドするとき、推進ベクトル(脚やシートのプレッシャーによる運動エナジー)と抑制ベクトル(ビットプレッシャーによる制動エナジー)とが交わる角度やその力量の差を作って、馬の運動方向をコントロールする。 つまり、推進と抑制とのエナジーの方向と力量の差によって、ステップ角やストライドをコントロールして、馬の進行方向をコントロールしているのです。 |
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