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    VOL.16 「フレイミング Framing」

                                                 

 2011年8月号


 今月号のテーマは、馬体のフレイミングについてである。

 先月号の2トラック運動(二蹄跡運動)との関連性で、このテーマで解説するのが最も良い機会だと考えたので、馬のフレームについて語ることにする。

 一般的に内方姿勢ということである。

 つまり内方姿勢と2トラックとは、全く同じことだというのが私の考えである。
 2トラック運動をするために作られる馬体のフレームが、内方姿勢だと考えている。

 つまり、外方後肢を内方前肢の直線上へ持ってくることによって作られる馬体の姿勢が、内方姿勢なのである。

 しかし、多くのへボライダーは、内方姿勢を馬の首を内方に曲げることによって作ろうとしてしまって、本来の内方姿勢の目的を壊してしまうのである。
 内方姿勢の目的は、2トラック運動のステップを馬にさせるためにあるのであって、姿勢そのものに意味があるのではない。飽くまでも外方後肢のステップが馬体の対角線上の内方前肢へ向かい、その推進力が遠心力と闘うことになって馬体の傾斜を防いだり、推進力が馬の重心を通過して運動効率を上げたりするためにあり、無駄なく馬体の傾斜を防ぐというためにあると考えなくてはならないのである。
 従って、内方姿勢は、外方後肢を内方前肢の直線上へ持っていくことによって作られる姿勢であって、馬の頭を内方へ持っていくために首を曲げて作ったのでは意味がないのである。

  



    

 つまり内方姿勢は、馬のショルダーの中心に頭の位置を維持させて、外方後肢を内方前肢の直線上へ持っていくことによって作るのである。馬の後駆を内方へと持っていき、内方前肢の直線上まで持っていくことによって作られなければならないのである。

 因みに、内方姿勢を作るために馬の頭を、首を曲げて作ったのでは、馬体に外側へ反発する張力を作って外方後肢がアウトサイドステップしてしまい、遠心力と同方向のステップになるので、馬体は傾斜し且つ推進力が馬の重心を通過しなくなってしまうので、無駄なパワーを使ってしかも人馬転のリスクを作ってしまうのである。

 フレイミングとは、外方後肢を内方前肢へと向かうステップを生み出すために作ることで、このフレームを維持して最も後肢を大きく踏み込ませることによって作られるのが収縮(コレクション)なのである。つまり、最も外方後肢が内方前肢へと近付いた状態が収縮だということができるのである。
 従って、収縮には左右があって、右収縮(ライトコレクション)と左収縮(レフトコレクション)の二つがあるというのが、私の考え方である

 馬は進化の過程において、脊椎を肉食動物と違って硬直化した。その硬直化によって合理的運動がし難くなり、これを克服するために斜対速歩や駈歩によって合理的運動を獲得したのである。つまり、馬体4肢の対角線(完全な対角線ではなく、外方から内方へ向かうラインが重心を通過する。)と運動エナジーが一致することにより重心を通過して運動することになり、合理的運動を可能にしたのである。



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