全ての馬術は、このメカニズムを原点として発想されて作られていると考えられており、そのために収縮がありこの収縮によって、軽快な運動を可能にしてあらゆるパフォーマンスが作り出されているのである。 　馬に乗ることは、馬のステップをコントロールすることであり、そのステップを馬の背中に乗っている状態では、直接的にコントロールすることはできないために、馬体フレームを作ることによって、ライダーのプレッシャーが的確に馬のステップに繋がりやすくし、結果的に馬のステップをコントロールすることになるのである。 　私は、馬のステップを如何にコントロールするかという課題に向かって、馬のフレームを作る。 　必然的にステップが起きる馬体のフレームを作って、馬に対してステップのティーチングをする。 　つまり望むステップが起きるようなアンバランスを、作り出すための馬体フレームを作る。そこでアンバランスから起きるステップとライダーのキューイングが一致するようにしてトレーニングする。 　そして、アンバランスから起きるステップではなくて、ライダーのキューイングによってステップするように、先ず馬体フレームを作ってステップを求めるようにトレーニングを行うのである。

トレーニングの目的は、求めるパフォーマンスを馬にティーチングすることにあり、そのためには左右の収縮を求めて作ることでそのパフォーマンスを可能にし、先ず求めるステップが必然的に起きるアンバランスを引き起こすための馬体フレームを作って、ライダーのキューイングと馬のステップが一致するようにティーチングして、次の段階で、運動効率と遠心力との関連性を加味して2トラック運動ができるように馬体フレーム(内方姿勢)を整えて、求めるステップを要求して馬のステップをコントロールするのである。 　馬体フレームとは、インプットしたライダーのプレッシャーによって起きる馬の運動を、ライダーが望む運動ベクトルとしてアウトプットするためにあるもので、絶えず馬に与えたプレッシャーをライダーの望むベクトルでアウトプットするためのもだと考えている。 　サークル運動でもスピンでもスライディングストップでもロールバックでもリードチェンジでも、つまり、レイニングにおけるあらゆるパフォーマンスは、全て馬体フレームを作り、プレッシャーによる推進力をどのようなアウトプットするかによって、ステップがコントロールされて、パフォーマンスとして表現されるものだと考えている。 　　 　ライダーが馬をコントロールするとは、馬のステップをコントロールするということであるが、そのためにはステップとしてアウトプットされる推進エナジーをコントロールしなければならなくて、ステップを作り出す場合でもステップを抑制するにしても、ライダーは運動エナジーをコントロールすることで、これをコントロールしているのであり、そのためには馬体フレームを作って、その運動エナジーをコントロールしやすくしているのである。 　つまり、馬体のフレイミングは、馬をコントロールするための入り口なのである。 前頁へ

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