VOL.20 「スピン SPIN」 |
2011年12月号 今月は、スピンについて解説することにします。 レイニングホースを選択するときに、トップトレーナーは、スピンの良い馬を選択したいと思っています。
前進気勢の中で回転運動するスピンは、内方後肢で体重を支えて外方後肢で推進して、前肢を交差させて進行方向をリードすることは、サークル運動と同じですし、内方後肢が軸肢で180度ターンして発進するロールバックは、回転運動においては全く同じだということができるし、後肢を極力重心の真下においてバランスバックしているモードは、スライディングストップと全く同じです。 スピンは、内方前肢の外側を外方前肢がクロスオーバーするステップをして、内方後肢を軸肢にして且つ重心を負重し、外方後肢が内方後肢の外側をクロスオーバーしてステップしながら推進力を発揮する。 スピンの運動において最も重要なことは、バランスバックで、重心を後駆においているということで、このことにおいてはスライディングストップと同様です。
前肢が軽快にステップするには、その前肢に重心をおいていては、負荷が大きすぎて軽快に運動することができません。しかも回転運動となると遠心力がサークル運動の中で一番大きくなるので、前肢は遠心力と戦って回転運動をしているので、その上体重を支えるのは負荷が大きすぎて、スムースで軽快なステップをすることができません。 |
スピンを馬に教えるのに、前肢のステップばかりをトレーニングすることによるリスクは、軸肢となるべき後肢が内方後肢ではなく外方後肢にしてしまうことで、外方後肢が軸肢になってしまうと、前肢もまた内方前肢の後ろを外方前肢が回り込んでしまう原因にもなってしまうのです。 従って、バランスバックすることと(重心を後駆へ負重すること)、前肢がクロスオーバーするステップの運動を、同時に行うようにトレーニングしなければなりません。 スピンの初期的トレーニングにおいて行う方法の一つを紹介すれば、インサイドレインをホールドして、インサイドから脚でプッシュアウトするようにプレッシャーをかけ、内方後肢をできるだけ大きくステップアウトさせて、回転運動を行います。この時、内方後肢がアウトサイドへ大きく踏み出し、内方レインをホールドしているので、外方後肢がその内方後肢を回り込んでインサイドステップします。
このトレーニング法は、私のオリジナルですが、このトレーニングの良いところは、前肢のクロスオーバーステップを作るのとバランスバックを同時にティーチングすることが容易だということです。
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