Horseman's Column title

    VOL.22 馬の調教1

                                                 

 2012年2月号


 今月のテーマは、馬の調教です。

 私は、「馬に乗る人は、全て調教師」という思想を持っているので、全てのライダーは、馬の調教についてその概念を理解する必要があり、このような原稿を書き始めた初期の頃に、調教の概念を記してきましたが、長い年月が過ぎてしまったので、最近乗馬を始めた人のためにも、長い経験を持つ人にとっても、もう一回このテーマで見直してみる必要があると思い、今月はこのテーマにすることにしました。

 今回は、メンタルを中心にお話を進めていきたいと思います。

 メンタルは、基本的に生命維持というベクトルを持っていて、自己の生命にプラス要因が働いたときに緩和し、そのプラス要因に近付いたりもっと要求したりする行動へと繋がり、プラス要因だと判明しない要因が働いたときにマイナス要因だと思って緊張し、その要因から離れようとしたり排除しようとしたりする行動へと繋がるという特性を持っている。

 プラス要因だと判明しない要因とは、マイナス要因とプラス要因だとはっきりしないグレイゾーンの要因が含まれる領域を差して、マイナス要因だと受け取るということです。
 つまりプラス要因だと明確に受け取れる以外の要因全てを、マイナス要因だと解釈するということです。






 そしてメンタルの場合は、必ず判断ということがあって、つまりその生命体がどう受け取るかで、プラス要因かマイナス要因かが決まり、客観的にプラス要因かそうでないかが問題ではないのです。

 その生命体がプラス要因だと受け取ったか、またマイナス要因であると感じたかによって、緊張するか緩和するかが決まってくるのです。

 例えば、人が馬を撫でようとした場合、この行為は客観的に見て生命の維持に対してプラス要因なのに、馬がその行為に対して不信感を抱いてしまえば、マイナス要因だと解釈して、逃げようとしたりパニックを起こしたりするということなのです。
 また、その逆に大きな音を出したり障害物が立ちはだかったりしても、馬がマイナス要因だと解釈しなければ、その要因へと近付いたり飛び越えたりできるのです。

 馬が初めて見るもの対して警戒心を示したとき、良く見せて馴らすということをする人が多いが、馴らすと考えるのではなくて、その初めて見たものに対して、マイナス要因ではないと馬が解釈するようにと考えるべきなのです。





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