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Q-3 たづなによる調教について (北海道 N さん) 00/2/25upQ(1): 現在4頭の新馬の調教をしています。そのうちの一頭が「たづな」操作に対し猛烈に抵抗していてかなりの力を入れて開かないと言うことを聞きません。
この馬は12才の子供が乗るためもっともっと軽い操作で動くようにしたいのですが教えてください。はみは土岐田さんの指導のあった物で水ろくを改良し両側に丸い輪を作りその中心からたずなを採っています。ちなみに水ろくだともっと抵抗します。
首が固いことも原因にあるでしょうか?首を柔らかくする調教も教えてください。
A(1): 手綱の操作に対する抵抗を直すためには、その前にしておかなければならないことがあります。しかし、どの程度の状況なのか、ご案内の文章では、判断しかねるので、この点についてだけ回答することにします。
手綱に対する抵抗は、なぜ起きるのでしょうか。色々な原因が考えられますが、まず第一に原因として考えるべきことがあります。その原因を取り除いても、かつそれが直らない場合は、次の原因について考えることにします。このような順序に基づいて馬のトレーニングを考えていただくと良いでしょう。
その原因というのは、手綱を引かれることによって、馬がしなければならないステップができにくいということです。従って、手綱に対する抵抗を直すために、もっと手綱を引くと、もっと抵抗を強めてしまいがちになるはずです。馬によっては、そのことによってステップすることを学び、抵抗を見せなくなることがありますが、あまりいい方法とは言えません。
いつもライダーは、必ず馬にステップを求める脚の指示をします。例えば、右に手綱を少しだけ引いて、右脚を後肢寄りにプレッシャーをかけて、馬の後肢を左方向へステップさせるようにします。そして抵抗なく後肢が左方向へスムースにステップするようになったら、右脚のプレッシャーをやめて、今度は左脚を馬の前肢寄りにプレッシャーを、左手綱で右方向へ押し手綱をするようにして、馬の前肢を右方向へステップさせるようにします。もちろん押し手綱と同時に右手綱を引くようにします。
このとき、馬の前肢が右へワンステップしたら、手綱をリリースして反対方向を同じようにします。馬の前後肢がスムースにステップするようになれば、手綱に対する抵抗はかなり小さくなるはずです。
但し、前肢のステップは、一歩以上求めてはなりません。もしこの段階でこれ以上求めれば、後肢の軸足が外側になってしまう危険性があります。
今後においても、また別の馬についても新馬古馬に限らず、馬のステップを促すために脚によるプレッシャーを使い、そのプレッシャーによって起きる問題、例えば馬の進むべき方向とライダーの求める方向の違いや、ライダーの求めるスピードと馬の反応したスピードの違いを是正するために手綱を使うと考えると、馬の抵抗は最小限ですむはずです。また、後退の場合でも、手綱を軽くホールド(軽くハミを当てる程度に手綱を引いた状態で、それ以上は引かないようにしている状態)して、後は両脚で軽くバンプ(両脚で軽く馬を小刻みに蹴ること)して後退を促します。そして馬が一歩でも後退したら、手綱をリリースして一呼吸起きます。
そして数歩前進させた後、再びこれを行い徐々に歩数を増やしていきます。このとき大切なのは、馬が後退を始めたら決してそれ以上手綱を引かないことです。もしもっと後退を求めたい場合は脚によるバンプの強弱を変えたり、繰り替えし続けることです。また、最初に後退を求めて脚を使ったとき、馬が前進してしまったときは、手綱のホールドが足りないということですので、その場合は馬が前進しない程度にもう少し手綱を引く必要があります。
特に新馬の調教は、ハミに対する抵抗をなくす訓練よりも、丸馬場などの比較的狭い場所で、馬をどんどん前へ出して、速歩や駈歩を充分乗ってやることが大切です。そのことによって、人を乗せて走ることに慣れてきて、馬の精神に余裕が出来ると、自然にライダーに対して聞く耳を持つようになります。そうなってから一つ一つ教えていくことが、馬の抵抗を必要以上に作らずに調教できるコツだということが出来ます。
では、頑張ってみて下さい。ご質問ありがとうございました。
Q(2):円馬場での推進
親切なアドバイス有難うございます。
さて土岐田さんの言っている新馬の丸馬場での推進方法ですがどの様に行うとドンドン前にでるのでしょうか自分としては乗る前に調馬索で常歩から始めています。この馬は乗れるので、乗せたまま追いムチを使い脚で指示を出しながらやりたいと考えています。アドバイスをお願い致します。
A(2):新馬の推進の方法は、トレーナーによって様々だと思います。
そこで私の場合、新馬のサドルブレーキング時に推進するとき、舌呼とレイン(手綱)やリードロープ(無口で乗っているとき)の余っている部分で、馬の外方のお尻を叩いて推進することにしています。脚で推進しない理由は、新馬のブレーキング時に脚を使うと、バッキングしたり歩度がつまってしまう馬がかなりの確率で多いからです。外方のお尻を叩くことによって、馬は跳ね上がるより前へ出るようになります。
このとき大切なのは、叩く力加減に気を使うことです。必要以上に強くしないようにすることです。ですから最初は、軽く触れる程度で様子を見ます。
それで推進されればそれ以上強くする必要がないわけです。もちろんそれで前へ出なければ、出るまで段階を踏むように徐々に強くしていきます。
いきなり強い力で叩いて馬をナーバスにしないように注意して下さい。ただ、馬が一時的に反抗を示したときは、もっと叩いて推進しなければなりません。それに、新馬は、人に乗られることに慣れていませんので、まわりのことに気を取られて、なかなかライダーに集中してきません。
私は、ライダーへの集中を大切に考えたいと思っています。従って、特に馬に人が乗ってしまってからは、ライダー以外の人が直接プレッシャーをかけたり、指示を送ったりすることは絶対にしません。ライダーの指示によって動くということが、馬のライダーに対する集中力を養成しますし、ライダー以外の人がプレッシャーをかけたりすれば、馬はますますライダー以外の方へ気をそらしてしまいます。何事も、ライダーが考えなければならないことは、常に、馬をどう導きたいか、指示命令によって馬がどう考えるかを意識して行動することです。(馬の機嫌を取ることとは違います)
00/2/25 up
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