AM 9:25 Temperature 5.9℃ Humidity 57% 晴れ December 23,’25(Tuesday)
今朝は、久々のすっきりと晴れましたが、気温が低めです。
馬場は、奥の水溜まりを除いて、外は水が引きました。
チェンジリード(Change Lead)
チェンジリードとは、駈歩を維持しつつ、馬体の対角線上を通る運動エネルギーの動線を右から左へ、左から右へと変換することなのである。
馬の運動エネルギーは、通常馬体の対角線上を通ることから斜対駈歩や斜対速歩などともいわれるのである。
従って、馬は、脊椎の柔軟性が欠落しているので、外方後肢から内方前肢へ向かうように運動ネルギーが働いているのである。
因みに、モンゴルの馬やアメリカンサドルブレッドやテネシーウォーキングという馬達は、トレーニングによって、側対速歩や側対駈歩ができるのである。
それは兎も角として、左リードの駈歩は、右外方後肢から左内方前肢へと向かって、運動エネルギーが働いており、右リードの駈歩は、左外方後肢から右内方前肢へ向かって、運動エネルギーが働いているのである。
馬は、成馬になると脊椎の柔軟性を失っているので、脊椎の第4肋骨にある重心を運動エネルギーが通るには、運動エネルギーが重心を通るようにしなければならないのである。
これに比べて、肉食獣のような脊椎の柔軟な動物は、運動エネルギーの線上に脊椎を曲げることで、重心をその線上に移行させることができるのである。
運動エネルギーが、重心を通ることは、エネルギーの効率化という観点では、とても合理的だといえるのである。
例えば、竿竹を垂直にして持てば、竿竹の重さに対応する力で持ち上げることができるが、竿竹を横に倒すと、竿竹の重量の何倍もの力でないと持ち上げることができなのである。
これは、竿竹を垂直にすれば、持ち上げる力が重心を通り、竿竹を横に倒せば、重心から遠いところで力が働くということになり、竿竹の重さの何倍もの力でないと持ち上げることができないということを現しているのである。
何れにしても、運動エネルギーの動線が重心を通過するということは、物理学的に合理的であり、合理的であることはエネルギーを効率的に使うことなのである。
馬は、脊椎の柔軟性を失うように進化しているが、4肢が馬体の真下についているので、効率的運動が可能なのである。
因みに、鰐は胴体の横に肢が突き出ているために、効率的運動が不可能であるために、速歩までしかできないのだそうである。
二蹄跡運動(トゥートラック)というものがあるが、これは、外方後肢と内方前肢を一直線上に位置させて運動することをいうのである。
静止状態では、4肢は長方形の各頂点に位置しているのである。このまま、運動エネルギーを馬体の対角線上を通るようにするためには、外方後肢が内方前肢へと向かうように、斜め前にステップしなくてはならないのである。しかし、外方後肢と内方前肢が一直線上に位置するように、馬体を曲げれば、外方後肢が真っ直ぐ前に向かってステップすれば、必然的に内方前肢に向かうようになるのである。
この場合、馬体を曲げるとは、肩のところで屈曲することを指すのである。
内方姿勢とは、この二蹄跡運動のための姿勢をさすのである。
多くの人達の誤りは、内方姿勢とは、馬の首を曲げることだと勘違いをしていることである。
馬の首を曲げても、馬の運動エネルギーと関係させることはできないのである。つまり、内方姿勢とは、馬の頭頂から肩までは真っ直ぐに保ち、肩のところで屈曲させて、外方後肢と内方前肢を直線上に位置させることなのである。
以上のようにすることで、馬は効率的に運動エネルギーを使うことができるのである。そしてまた、サークル走行で発生する遠心力と外方後肢がインサイドステップして闘うことができて、馬の態勢をフラットな状態でサークル走行することを可能にしているのである。
さて、リードチェンジは、馬のフレームワーク、つまり馬体の可動性と柔軟性を養成することで、左内方姿勢と右内方姿勢の双方向に切り替えができるようにすることで、運動エネルギーの方向の切り替えを可能にするものなのである。
NRHAの規定では、スムースで後肢からチェンジリードが起きるのが正しいとされているのである。
1ストライドの間で指定された場所で、リードチェンジしなくてならないのであり、1ストライドの間にチェンジリードができなければ、これに応じてペナルティーが科せられるのである。
二蹄跡の馬体フレームを左から右、または右から左へと切り替えることで、運動エネルギーの動線の切り替えをしているのである。
多くのトレーナーが用いる方法として、カウンターキャンターというのがあり、馬の姿勢の切り替えや場所とリードチェンジを関連づけて馬が学習することを避けるために、逆リードで駈歩(カウンターキャンター)をすることによって、ライダーは、場所や姿勢の切り替えに関係なく、任意にリードチェンジを指示できるようにしているのである。
リードチェンジのためのカウンターキャンターは、サークルを右から左や左から右へ切り替える前に、それまでのサークルで、外方脚を肩寄りに入れて、馬の頭頂から肩までを真っ直ぐにして、そのまま外方脚を入れたまま反対側のサークルへ移行し、逆リードを維持したまま走行し、左右の脚を入れ替えるように、それまで肩寄りに入れていた脚を馬体から離し、同時にもう一方の脚で、新しいサークルの外方後肢をインサイドステップするようにプレッシャーを掛け、リードチェンジを促すのである。
馬がリードチェンジを習得するためには、常歩や速歩で、左から右へ、右から左へと、馬の内方姿勢を容易に切り替えられるようにすることで、駈歩でできるようになるのである。
リードチェンジの精度は、馬体の柔軟性と可動性が重要な要素で、馬体フレームの形成の精度を上げることによって可能にするのであるが、もう一つ重要な要素は、重心の位置で、後肢が重心の真下まで踏み込んで走行している状態であることが、チェンジリードを容易にすることなのである。

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