Arena Condition(乗馬の駈歩相談室)

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AM 9:15 Temperature 8.2℃ Humidity 59%  晴れ January 20,’26(Tuesday)

 

今朝は、予報では寒波といってましたが、それほど気温が低くありません。凍結もありません。

 

馬場は、ベストコンディションです。

 

 

「プリパレーション」

 

馬のトレーニングプログラムの最初が、プリパレーションである。

 

プリパレーションは、準備運動のことで、その中にリラクゼーション・ウォーミングアップ・ストレッチがある。

 

ライダーが馬にマウントして、最初がリラクゼーションである。

リラクゼーションは、馬がリラックスするための時間帯で、馬に対して与えるプレッシャーは最小限にして、ゆっくりとした常歩や速歩をする運動のことである。

馬にとってリラクゼーションは様々で、特に緊張していない馬は、それほどの時間を取らなくて良いのだが、緊張している馬であれば、ゆっくりとした動きをさせている内に、馬が穏やかになれば、それで済むのである。

しかし、とてもいらいらしていたり落ち着きが甚だなかったりした場合は、特例ではあるが、馬がライダーに対してコンセントレーションするように、ストレッチ運動をしたり駈歩をしたりというように、一定の運動量を上げることで、馬自身が自分を取り戻して落ち着かせることもある。

 

ウォーミングアップは、馬の心肺機能を活発化させたり体温を上げたりして、ストレッチ運動やトレーニングに、馬のフィジカルが対応しやすくするためのものである。

速歩や駈歩をして、身体を温めたり心肺機能を活発化させたりすることを目的に行うので、メンタルにかかる負荷が大きくなるような運動やプレッシャーは避けるべきでしょう。また、複雑な運動をすることで、フィジカルに複雑なモーメントをかけて故障の原因となるのも避けるべきでしょう。

 

ストレッチは、馬のパーツであるネック(首)・ショルダー(肩)・リブケージ(胸郭)・フランクラック(脾腹)などを、水平と垂直方向に曲げたり動かしたりすることで行うのである。

目的は、各パーツの可動性と柔軟性を養成することにある。

その可動性や柔軟性が養成されることで、重心と4肢の位置の関係性をコントロールして、馬の動き、つまり、重心移動における二つのムーヴメントを操作するためでもある。

重心と4肢の位置関係とは、重心に対して後肢の位置がより後方であれば、バランスフォアとなって、馬体を左側面から俯瞰すると、その馬の動きは左回転モーメントとなり、重心に対して後肢の位置が近いか前方へ追い越していれば、右回転モーメントとなるのである。

因みに、重心から後肢が後方に位置していれば、バランスフォアとなり首の伸縮によって、馬は肢の筋力を行使せずに走行することができるのである。

 

ストレッチを施すためには、馬の運動メカニズムやフィジカルの構造を知る必要がある。

馬体の構造や運動メカニズムについて詳しく解説することは、別のコンテンツのときにするので、折り触れて必要なことはだけ解説するに止めることにする。

 

ストレッチおいて、何故、各パーツの可動性や柔軟性を高める必要があるのかといえば、可動性は関節の可動域を拡大することで、4肢の水平と垂直の方向の動きを大きくすることで、重心と4肢の位置関係をコントロールし、馬の運動性能を高度化させるためなのである。

しかし、関節に付随する腱や筋肉の柔軟性がなければ、可動性を高めることもできないのである。そして、その柔軟性は、腱や筋肉の伸展によって行うのである。

 

馬の重心は第4肋骨付近にあり、重心の前後左右への移行は、首の伸縮によって頭を前後左右へ動かすことで行っているのである。馬術的には、後肢の着地位置を重心に対してより近づけたり遠ざけたりして、バランスコントロールしているのである。

従って、ストレッチによって各パーツの可動性と柔軟性は、馬のバランスコントロールのために必要不可欠なのである。

 

ショルダーのストレッチは、構造上水平方向の可動性がないので、ショルダーの周辺の筋肉や腱の柔軟性を主に高めるために行うのである。

 

後駆のストレッチは、フランクの柔軟性と股関節の可動性を高めるために行うのである。

特に、内方後肢が馬体の中心へ向かってステップすることで、馬体重を内方後肢で支えることが充分になるのである。このことによって、両前肢の負重が軽減されて方向の転換が自在になり、外方後肢が推進力を発揮しやすくなるという効果が生まれるのである。

 

ストレッチは、馬体を曲げることで、順軟性や可動性を養成するものであるが、作用点と支点との相関関係で行うものである。

例えば、ショルダー左側を脚で押さえることで支点とし、レインを左側へ引いて作用点とすれば、馬が前進してる場合、馬の頭はレインを左へ引かれることで左へ動き、ショルダーの左側が脚で止められ支点となっているので、ショルダーに反作用が生まれて、左後肢が右側へ押し出されることになるのである。

このストレッチで、左側のフランクの柔軟性を養成することができる。同時に、左後肢の可動性も養成することができるのである。

このとき、レインを左へ引いても、左脚でショルダーを押さえるところを支点としなければ、左後肢を左側へステップさせる反作用が起きないので、ストレッチとならないのである。

従って、ストレッチをする場合は、作用点を作用させるとき予め支点とするところを設定して、支点で起きる反作用の力を利用して行うのである。

作用移転と支点の力は、必ず逆方向を向いており、且つ同量の力となるのである。

ここで、注意しなければならないことは、作用点だけを意識下において行ってはならないということである。作用点と支点を一対として行わなくてはならないのである。

多くのライダーは、レインを引くとき、支点となるところを一々気にしていないのである。意図的に支点とするところを決めてストレッチしなければ、反作用の力がコントロールされず、ストレッチの目的を果たすことはできないのである。

 

例えば、レインを上方向へピックアップする場合、鐙を支点にしたときと、シートを支点にした場合では、結果は自ずと違ってしまうのである。鐙を支点にした場合は、作用点でレインをピックアップすることで、馬の頭は上方向へ持ち上げられる力が働き、その反作用として鐙を下方向へ押し下げる力が働く、このことで、馬の頭が引き上げられ、ショルダーが押し下げられるのである。一方シートを支点とした場合、馬の頭は押し上げられ、シートが押し上げられる作用と反作用の力が働くのである。すると、馬体を左側面が俯瞰した場合、馬体に右回転モーメントが生まれ、馬の頭は下がり、ショルダーが押し上げられ、後駆が押し下げられることとなって、収縮が生まれることになるのである。

 

このように、ストレッチなどのために馬体を曲げるとき、支点を意図的に設定することが極めて重要なのである。何故なら、支点における反作用の力がストレッチの目的を達成せしめる最大の要素だからである。

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