AM 9:15 Temperature 30.1℃ Humidity 60% 曇り July 29,’25(Wednesday)
今朝は、曇っていて日射しがなく、気温が低めです。
馬場は、ドライ状態です。
乗馬において、ライダーがいろいろなパフォーマンスをする上で、何事にも差し置いて優先されることは、ライダーが、馬を推進できることです。
ところが、ライダーがどんなに脚の使い方が上手であっても、物理的力で馬を動かすことはできません。
何故なら、ライダーが脚を使ったりレインを引いたりしたとき、必然的に何処かを支点にして、ここで支えることで、レインを引いたり脚を使ったりしているのです。
つまり、馬体という同一物体上に、作用点と支点の二つの力が存在し、互いに向かい合っているのです。作用点と支点の二つの力は、逆向きでその力の大きさは同じなのです。
従って、同一物体上に作用点と支点が存在すれば、作用点と支点の力は相殺されてしまうので、馬が動くことには繋がらないのです。
それを証拠に、木馬に跨り、レインを引いたり脚を使ったりしても、絶対に木馬が動くことはないのです。
それでは何故、ライダーが馬を推進できるのでしょう。
それは、ライダーが馬に対して主導権を握ることでできているのです。
ライダーが主導権を握るには、脚が上手に使えたりレインを上手く操作できたり姿勢がよかったりすることとは無関係なのです。
ライダーが学ばなければならないことは、先ず馬に対して上手に主導権を握れるスキルを身につけることなのです。
ライダーが、馬の対し主導権を握るためには、矛盾が必要なのです。
その矛盾とは、馬が動くために重要な役割を果たしているのが頭の上下動なので、頭の上下動により重心移動をし、重心移動に伴って肢を動かし動いているのです。(メカニカルムーヴメント)
そこで、レインをタイトにして、馬の頭の上下動を拘束すると動き難くすることができるのです。その上で、脚で刺激を与えます。
このとき、馬が一歩動いたとき、レインプレッシャーをリリースします。
このようにすることで、馬がライダーによって、動かされたという認識を持つようになり、馬のメンタル上において、ライダーの存在を大きくすることができるのです。
この矛盾によって、馬のメンタル上に存在感を大きくすることで、ライダーが主導権を握れることとなるのです。
この主導権によって、ライダーは馬を動かすことができ、その馬の動きをコントロールすることもまた主導権によってできているのです。
初心者のライダーが騎乗すると、初めはよく馬がいうことを効いてくれているですが、徐々にいうこと効いてくれなくなってしまうということがあります。
それは、ライダーの主導権が失われてしまうからなのです。従って、もう一度主導権を握り直すようにすれば、再び馬がいうこと効いてくれるようになるのです。
多くの乗馬クラブで、ライダーの姿勢や脚の使い方を指導することで、初心者が馬を動かせるようにはならないのです。
このような乗馬クラブでも、上級者や指導者が馬に乗った時、そんなに脚を使っているように見えなくても、馬がきびきび動いているのは、上級者や指導者が馬に対して主導権を握れているからなのです。
当の本人は、それを認識できていないのは、残念なことなのです。
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