AM 9:35 Temperature 15.0℃ Humidity Hi 曇り December 21,’25(Sunday)
今朝は、どんより曇っていますが、気温が高めです。
馬場は、全面水が浮いた状態です。
Performance
サークル(Circle)
馬のステップには、法則があってこれをステップのコマンドというのである。
ステップのコマンドは、内方肢に対して外方肢が外側を回って交差しているのである。このコマンドは、前後肢共にこの法則がある。
そのうえで、馬のサークル運動は、内方の前肢は、内方へある角度のステップをしていて、外方の前肢は、その内方の前肢の角度より大きい角度で、内方へステップしているのである。
内方後肢は、外方へある角度のステップをして、第4肋骨にある重心へ向かい体重を支える役割を果たし、外方後肢は内方へある角度のステップをして推進の役割を果たしているのである。
つまり、馬のサークル走行は、両前肢は内方へステップインし、内方後肢がステップアウトし、外方後肢はステップインしており、つまり、4肢全部が内方へステップしているわけではなく、ドリフト運動をしているのである。
特筆すべきは、内方後肢の外方へのステップで、内方後肢の外方へのステップは、馬体の重心へ向かってステップすることで、馬体重を支える役割を担っているのである。この内方後肢のステップによって、他の3肢が推進の役割を担えることと関係しているのである。
従って、内方後肢の外方へのステップが充分でなければ、他の3肢の推進力が充分でなくなるのである。
多くの馬術家にとって、話題が集中するのは、後肢の踏み込みということがあるが、内方後肢の外方へのステップが充分でなければ、外方後肢の踏み込みが充分にはできないのである。
また、外方後肢の内方へのステップは、サークルの円運動による遠心力と逆方向になるので、遠心力との闘いとなり、この内方へのステップが充分でないと、内方前肢のストライドが短くなって、サークルの軌道が内方へ切れ込むこととなり、肩が倒れるのである。従って、外方後肢の内方へのステップは、遠心力と闘い、サークル軌道の維持と馬体のフラットな走行を実現するための主要要素なのである。
レイニングのサークル走行では、スピードのコントロールが求められる。
スピードコントロールは、牛をサークル運動で馬体を以て囲い込むために求められたことがルーツなのである。
逃走する牛を馬で追走し、牛の肩口を馬体で遮るように円運動して、徐々に囲い込みながら小さくしていくと共に、停止にまで追い込むのである。また左右のサークルの切り替えもするのである。
レイニングホースの競技では、ラージファーストからスモールスロー、スモールスローからラージファーストというように、サークルの大きさとスピードの緩慢が求められるのである。
これは、牛を馬体で囲い込むことがルーツなのであり、これらのことを可能にするには、馬のメンタルとフィジカルの両面が求められるマヌーヴァである。
馬のメンタル面では、特にコンセントレーションである。ライダーのボディポジションを馬が認知しうるコンセントレーションが求められるのである。
トレーナーによっては、極端な前傾姿勢を取り速歩走行をして、その後に上体を起こしてスローダウンさせることを繰り返すことをしているのである。
馬のフィジカル面では、その前提として、後肢の踏み込みが深いということは推進力を減退させ、浅ければ増進することを理解する必要がある。
従って、スローダウンするとき、後肢の踏み込みを深くさせて行うというのが常道なのである。
NRHAでは、左右のサークルの大きさは同じであることが求められ、更に、スピードコントロールは、スピードの差が明確であることが求められる。
また、左サークルでは左リード、右サークルでは右リードで、走行することが規定されている
レイニングホースのサークル走行では、ルーズレインで走行しているのを良く見ることができる。
馬が一定の軌道を維持して走行するのは、重心移動が一定の軌道を維持しているということなのである。
昔、小中学校の運動会で、自転車のリム(車輪)の溝に篠竹を滑らせ走る競争があったのである。その競争でコーナーを走行するとき、リムをある程度傾けてコーナーを走行したのを覚えている。
このとき、リムを内側へ傾けて走行することで、慣性と倒すこととのバランスを取りコーナリングしていたのである。
このことと同様に、ルーズレインでサークル走行ができるのは、馬体をある程度傾けることと走行の慣性とで一定のバランスをとり重心移動することで、可能になっているのである。
従って、オートバイでコーナリングするのと同様に、サークルの軌道を小さくしたり大きくしたりする場合は、オートバイのハンドルを切らずにコーナリングするのと同様に、ライダーが馬のステップをコントロールしようとするのではなく、騎乗しているライダー自身の重心を内方へ移行させれば、サークルの軌道は小さくなり、ライダーの重心を外方へ移行させれば、サークルの軌道は大きくなるのである。
このようにして、ルーズレインでも、馬の走行の軌道をガイドすることができるのである。
サークル走行は、馬の動きの全てが要求される運動で、4肢とこれに付随するショルダー・リブケージ・フランクの可動性と柔軟性が養成されていることで、内方姿勢による運動エネルギーの効率化と遠心力との関係性、そして、後肢の踏み込みの浅深、円運動による遠心力とのバランシングなどが発揮されてできていることなのである。
馬体の各パーツの可動性と柔軟性は、ストレッチ運動のところで触れているので、ここでは割愛するが、レインと脚やシートの作用点と支点の関係性において、作用点を支点に向かうように力を入れたり、作用点を支点以外のところへ向かうように力を入れて、馬体に回転モーメントを発生させて、フレームワークをするのである。
因みに、収縮とは、馬体を球体のように馬の重心の真下へ4肢を集めることである。
球体とは、一点の支点で球体を支えている形状で、最も支持力を小さくしている構造なのである。最も支持力を小さくしているとは、動くためには最小限の力ですむということで、アンバランスであるともいえるのである。
馬の収縮は、馬体が蛇腹のように伸び縮みするということはなく、4肢を重心の真下に集めていて、馬が動くには支持力が最小値になっているので、最小限の力でできるのである。従って、アンバランスでもある姿勢なのである。

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