Back talk in the Bankhouse

Special Guest
Grumble of Hoary Headed and Croon of Calvous

今回は、高名なお二人の馬術家をお招きして、
日本馬術界への忌憚のない提言を語っていただきました。

それでは、日頃ウエスタンをやっていらっしゃるそうですが、
どのように感じられておれれますでしょうか?

　　Hoary Headed：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　ウエスタン乗馬っていやぁ、やってもいねぇくせしやがって四の五の言う奴がいるんだ。それにだ、そんな奴がいるかと思えば、少しばかり囓ったぐれぇで、何もかも知ってるような振りをするのもいる。
　俺ぁ、そんなこと聞くと首根っこ捕まえてきて、馬に乗せて「手前ぇの乗馬程度っつうのを思い知らせたくてたまんねぇ」
　手前ぇの尻の下の馬が、今、なに考えてんだかも、わかんねぇくせに、知った風なことぬかすんじゃねぇって、俺ぁ言いてぇんだ。

　Calvous：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Calvous Hoary Headed爺さんよ。
　お前さんの言いたくなる気持ちは分かるがよ。そうはっきり言っちまえば身も蓋もねぇ。だからあんたは、みんなから嫌われちまうんだ。
　一般大衆なんてものは、賢そうでも、本当は大馬鹿なんだから、あんまりはっきり物事を言っちまえば、理解するより反発してしまうものなんだ。
それだから、少しは、わかっていてくれてる人まで、敵に回してしまうもんだ。だから気をつけて口を利くもんだ。昔から口は、災いの元と言うだろう。

　　　Hoary Headed：　

　でもよ。ブリティシュだかイングリッシュだかっつうのをやってる奴がよ。小理屈こねるのも腹が立つんだよ、全くの話がさ。自分のやってる乗馬のなんたるかも知らねぇで、ウエスタンのことを馬鹿にする。 angry hoary head
　例えばだ、ウエスタンは、遊び馬だとか、脚突っ張って乗るだとか、馬術じゃねぇだとか、さんざんだ。
　それからなぁ、ウエスタンと来れば、すぐに外乗だとも思っているらしいんだ。

Calvous：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　えっ。ウエスタンは、馬術じゃねぇって言うのかい。

　　　Hoary Headed：

　そうなんだ。ウエスタンが遊びで、障害や馬場馬術は、遊びじゃねぇ、なんてぬかしやがってるんだ。俺ぁ、障害や馬場が遊びで、ウエスタンは仕事だと思うんだがなぁ。

Calvous：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　自分が住んでる限られた世界がよ、世の中の全てだなんて何の根拠もねぇのに思いこんでんだな。まっ、一言で言えばだ、そういう国民性なんだなぁ、日本人は。
　だからよ、その狭い世界で、多数派であることが価値あることだ、なんて思っちまっているんだ。ところが実際、多数派かどうかと、価値観とは何の相関関係もねぇんだ、これが。
Calvous だいだい日本人は、自分が、どう感じたか、どう考えたかよりも、大多数の人たちがどう思っているのかの方が気になって仕方がねぇ。だから大多数派に所属していることで安心して、反対の少数派を侮蔑してしまいがちなんだねぇ。
困ったもんだ。

　　　Hoary Headed：

　そうよなぁ、ウエスタンが馬術じゃないっつうんだったら、何を馬術って言うんだってんだ。馬術っつうのは、馬を操る技術のこと言うんだろうが。
angry hoary head 　それだったらよ、馬で、牛を群から1頭だけを切り離したりだ、牛の行く手を馬体でさえぎって、仕舞いにゃ、牛を動けなくしてしまったりよ、馬に乗ったままで、ロープで牛を捕まえたりだ、長い距離を牛を誘導して旅して、しかも牛を痩せさないように運ぶ、キャトルドライブは何だってんだ。
　ウエスタンの馬術を数え上げたら切りがねぇ。
　これが馬術じゃねぇとぬかすんだったら、誰にだって、これができるっつうのか、こんなことが。

Calvous：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Calvous まぁまぁそう怒りなさんな。そんな奴らに、馬術として何が優れていて、何が劣っているかなんて言ってもな、正しい議論なんかできゃしねぇんだからよ。そんな奴らに正しい論理を言ったって無駄なんだ。
　論理的に否定してるんじゃなくて、感情でしか、ものを言ってねぇんだから、どうしようもねぇんだよ。俺がいつも言ってんじゃねぇか。こんな奴ら相手にすんじゃねぇって。
　なにっ。まだ怒ってることがあるんか。

その２へ続く　 NEXT

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