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今朝は、昨夜からの雨が降り続いています。
馬場は、全面水が浮いてしまいました。
推進とガイド
(1)推進
乗馬において、ライダーが馬を推進するとは、ライダーの馬に対する主導権に基づいて、馬を動かすことである。
乗馬では、ライダーが強制的に物理的力を以て、馬を動かすこともできないし、その動きをコントロールすることもできないのである。
このことは、ライダーの如何なるプレッシャーも、馬という同一物体上に作用点と支点
が存在するので、作用点と支点の二つの力は、互いに逆向きで同量であるために相殺され
るので、馬が動くことに繋がることはないのである。
従って、ライダーが、脚を使っても鞭で叩いたとしても、馬が動くということに強制力を持たないのである。
以上の理由から、乗馬は、ライダーが馬に対して主導権を握ることで、レインや脚やシートのプレッシャーを、馬を推進したり抑制したりするようにし、ライダーによる馬のコントロールを成立させているのである。
馬のメンタル上において、ライダーの存在を大きくすることで、ライダーが馬に対して主導権を握ることができると考えることができる。
馬が動くのは、馬の重心が動くことで、馬は、専ら頭の上下動によって重心移動をして、この重心移動に伴ってステップしている動物なのである。
馬が放牧場でリラックスして歩いているとき、最初の数歩は肢の筋肉を使っているが、後は全くといいほどに肢の筋肉を使わずに歩いているのである。つまり、馬は、肢の筋肉を行使せずに、頭の上下動によって重心移動を行って動いていて、重心移動に伴ってステップしているのである。
このメカニズムを考慮して、ライダーが馬の頭の上下動を拘束するように、レインをタイトにすると、頭の上下動による重心移動ができずに、馬は動き難くなるのである。そこで、脚またはシートで刺激し、馬が動いたとき、このプレッシャーをリリースすると、馬はライダーに動かされたという意識を持つこととなり、馬の頭の上下動を抑制して動き難くした上で、脚やシートのプレッシャーをかけて動けという矛盾した行為をすることで、馬のメンタルに、ライダーの存在感を大きくすることができるのである。このことを以て、ライダーは、馬に対して主導権を握ることができるのである。
ライダーが馬に対して主導権を握る方法は、他にもあると思うが、ライダーが馬を推進するためには、ライダーが馬に対して主導権を握ることで可能する以外にはないのである。
何れにしても、ライダーが馬を推進するには、馬のメンタルを活用せずしては不可能なのである。
乗馬界の常識のようにいわれていることがあり、それは、馬を推進するために脚を使うということである。しかし、これは全くの間違いなのである。
脚のプレッシャーで馬が動くというのはないのである。レインを引いて、馬が後退するというのも間違いなのである。
つまり、脚やレインを操作して、馬を動かしたりガイドしたりするのは、ライダーが馬に対して主導権を握っているという前提がなければ、できないことなのである。
この重大なことを、全てのライダーは理解して、乗馬をしなければならないのである。
ライダーは、馬を推進したりガイドしたりするのは、馬のメンタルを活用しなければできないことなのである。
ライダーが、馬に対して主導権を握っているという前提で、ライダーは、大凡レインを引いて馬を後退させ、脚を入れることで馬を前進させているが、何故、そんなことができるのであろうか。
何故、このよう疑問が湧いてくるかといえば、ライダーは、馬上でレインを引けば、シートや脚が支点となって、作用点のレインを引く力と、支点のシートや脚の力は、同量で逆向きになので相殺され、馬が後退するのは理屈に合わないのである。このことと同様に、ライダーは、脚を入れれば、脚やシートが支点となり、作用点の脚の力と、支点の脚やシートの力は、同量で逆向きなので相殺され、馬が前進するのは、やはり理屈に合わないのである。
地上であれば、150kgと100kgの二つの鉄球を左右両端に置いてロープで引けば、どちらが作用点でも支点でも、150kgの重い方鉄球に、軽い方の100kgの鉄球は引き寄せられるのである。無機物である鉄球は、作用点と支点に関わらず、重い方へ軽い方が引き寄せられるのです。
しかし、馬上では、ライダーがレインを引けば、馬は後退し、脚を入れれば、前進するのである。このことは、馬という生物は、作用点と支点とが同じ大きさの力なのに、明らかに何らかの法則によって区別して、反応しているのである。
それは、作用点の力が支点へと向かうとき、作用点が局所型のプレッシャーとなって、これに対して支点は分散型のプレッシャーとなって、馬は局所型の方を比較的強く感じ、分散型の方を比較的弱く感じるので、強く感じる局所型の方のベクトルに一致するように、馬は動くこととなるのである。
また、作用点の力が支点以外のところへと向かうときは、作用点と支点の中間点が軸になり、作用点側は作用点の力のベクトルに一致する動きとなり、支点側は支点の力のベクトルに一致する動きとなり、左右どちらかの回転をすることとなるのである。
(2)ガイド(進行方向のコントロール)
ライダーが馬に対して主導権を握ることで、ライダーが馬を推進できるのであるが、その動き、つまり、進行方向をコントロールすることをガイドというのである。
動きをコントロールするということは、極論すれば、ブレーキをかけるというこということである。
自動車でもハンドルを切り、タイヤを曲げ進行方向をコントロールしているが、実際には、タイヤを曲げることで直進力にブレーキを掛けることとなって、車の進行方向が曲がるのである。つまり、タイヤを曲げるとタイヤのグリップが強くなって、グリップ力の小さい方へ車は進行方向が変わるというメカニズムなのである。
ものの進行方向をコントロールするということは、元の進行方向にある角度のブレーキを掛けて、その反射角にものが動くということなのである。
宇宙にあるロケットの進路を変更するためにも、ある角度のロケット噴射し、その反射角にロケットの軌道修正をしているのである。
テニスの壁打ちと同じメカニズムなのである。
乗馬においても同様で、馬の進行方向をコントロールするということは、ライダーの主導権に基づいて馬を推進し、その進行方向に対してある角度のブレーキをかけて、その反射角に、馬が進行方向を変えるというメカニズムなのである。
馬が前進しているところで、何らかの角度で左右のレインをタイトにし馬の頭の動きを拘束して、馬は、頭の動きを拘束されると、動きが鈍くなってスピードが落ちるので、スピードが落ちたときにレインのプレッシャーをリリースするのである。
馬に、レインをタイトにすることと動きの抑制とを関連づけて学習させることで、ガイドを可能にしているのである。
馬のガイドもまた、馬のメンタルに学習させることで可能にしていることなので、このメカニズムを、ライダーは理解していることが重要なのである。
レインによる抑制が発揮されないような新馬を調教するには、馬を推進して、その進行方向をレインを引くことで進路を曲げ、進路が曲がったときにレインプレッシャーをリリースし、レイン操作を推進力の抑制として学習をさせるのである。
そして、徐々にレインによる進行方向に対する抑制の角度を大きくしていって、直角にしたときに停止するようにするのである。
力には、重力と動力の二つがあって、重量は、ものの質量の動きで、重量は単体で機能するのである。その一方で、動力は、作用点と支点との関係性において、作用反作用の二つの力が一対となって、機能するものなのである。
そして、動力は、作用点と支点において力が働き、その二つの力は、力の大きさが全く同量で、その方向は逆向きになるのであり、作用点の力が支点に向かうときは、支点の力は必然的に作用点へと向かうのである。また、作用点の力が支点以外へ向かうときは、支点の力は、作用点の力と平行になるのである。
動力は、作用と反作用のメカニズムで成立する力で、150kgの鉄球と100kgの鉄球とで、引っ張り合うと、150kgの鉄球の方へ100kgの鉄球が引き寄せられてしまうのである。どちらが作用点であるか支点であるかに関係なく、質量の大きい方へ引き寄せられるのである。
同一物体上に作用点と支点が位置しているときも、同様となるのである。
その物体が無機物と動物となると現象が異なるのである。つまり、無機物の場合は、作用点と支点がどちらに位置するかに関係なく、質量の大きい方が定点になって、小さい方が動点になって、質量の小さい方が動くのである。また、作用点と支点の質量が同じ場合は、作用点と支点の中間点に引き寄せられるのである。
つまり、無機物のどちらもが100kgで、同量の質量であるときは、その二つは、中間点に両方が引き寄せられるのである。
ところが、無機物でなく動物の場合は、作用点と支点が区別される現象が起きるのである。
つまり、馬の背を支点にしてレインを引けば、馬の頭は胴体に引き寄せられるのであり、馬の口を支点にして脚を入れれば、馬の口へ動体が引き寄せられるのである。
ライダーが馬の対して主導権を握っていると、レインを引くと馬は後退するのである。この逆に、レインを支点にして脚を作用点にすれば、馬は前進するのである。
無機物の場合は、作用点と支点に関係なく質量が大きいか小さいかによって、現れる現象が決まり、動物の場合は、作用点と支点はその質量に関係なく、作用点は作用点であり支点は支点であるように現象が生まれるのである。
それでは、動物の場合、そのメンタルは、作用点と支点をどのように区別されるのだろうか。それは、プレッシャーの力の増減の変化が少なく一定性の高い方を定点(支点)と捉え、プレッシャーの増減の変化が大きい方が動点(作用点)と捉え、作用点の方が動くということになるのである。
従って、シートや脚のプレッシャーを一定に保ち、レインプレッシャーを力の大きさを増減させるように使えば、馬はレインプレッシャーの方を動点(作用点)と捉えて、レインプレッシャーのベクトルと一致する動きをするようになるのである。また、レインプレッシャーを一定に保ち、脚のプレッシャーの力の大きさを増減させるようにすれば、馬は、脚のプレッシャーを動点(作用点)として捉え、脚のプレッシャーのベクトルと一致する動きをするようになるのである。
また、ライダーが馬を後退させようとしてレインを引っ張っているのに、馬が前進したり、馬を前進させようとして脚を入れているのに、馬が後退してしまったりしたとき、その原因の一つとして、馬が作用点と支点を勘違いしてしまっているか、ライダーがレインプレッシャーと脚のプレッシャーの力の変化が、馬が勘違いしてしまうようになってしまっているかが考えられるのである。
従って、支点の方のプレッシャーを一定にして、作用点の力の方に変化をつけるようにすれば、馬の誤解を取ることができるのである。
作用点と支点の二つの力の大きさは、必然的に同じになり、この力の大きさに差をつけることは決してできないのであるが、二つ力のどちらかを動点(作用点)に、他方を定点(支点)にしなければ、これに伴って馬を前進させたり後退させたりすることはできないのである。
従って、馬は、作用点と支点の二つの力をどうのように、作用点または支点と認識するのであろうか。
それは、力が加わる方と、その力が加わることに伴って力が加わる方とを区別しているのである。つまり、力の主従を区分しているのである。
力の加わる方を動点(作用点)、これに伴って力が加わる方を、定点(支点)を認識するのである。
従って、レインを引けば、引く力が動点(作用点)となり、レインを引く力に伴って脚に力が入り、脚の方を定点(支点)と認識して、馬は後退し、また、脚を入れれば、脚の力が動点(作用点)となり、脚の力に伴ってレインに力が入り、レインの方を定点(支点)と認識して、馬は前進するのである。
更にまた、脚を動点、レインを定点にして、馬を前進させているとき、レインを引けば、レインが動点、脚が支点となるように変化して、馬は後退するのである。またこの逆に、レインを動点、脚を定点にして、馬を後退させているとき、脚に力を入れれば、脚が動点になり、レインが定点となるように変化して、馬は前進するのである。
無機物には、作用点と支点の区別はなく、質量の大きい方が動点となり、小さい方が定点となり、質量が同じ場合は、どちらも動点となり支点となるのである。しかし、動物には、作用点と支点の区別があって、作用点と支点の力は、どちらが主で、どちらが従であるかを認識するということである。
つまり、作用点の力は、その方向性と大きさを左右し、支点の力は、作用点の力の大きさに伴って力の大きさが決まり、その方向性もまた作用点の方向性に決定づけられるのである。この主従関係を、動物は区別して認識するのである。


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