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今朝は、雨です。一日中雨が降るようです。東京は雪のところもあるそうですが、ここは気温が9度もあるので雪にはならないでしょう。
馬場は、せっかく水溜まりが小さくなってきたのに、また大きくなってしまいそうです。
馬をコントロールすることが、馬に乗るということだということを以前お話ししたことがあります。
PRBC(The Pacific Riding Horse Breeders Community)の公認大会で、両手で出ても良いのが、Green とLtd Non Proのクラスまでで、Int Non Proのクラスになると片手で出なければならない。
アメリカのメジャーな大会では、両手か片手は、馬の年齢で決まるのと使うビットによって規定されている。
AQHAのWorld Showでは、馬齢が5歳までで且つハックモアかスナッフルビットの場合のみ両手で出ても良いことになっており、NRHAでは、両手でも良いという規定のあるクラスでしか両手を認めていない。もちろんこの場合は、ハックモアかスナッフルでなければならない。
NRHAのフチュリティーでは、馬が3歳でスナッフルやハックモアを使おうが片手で出なければならないという規定になっている。
ライダーが、両手から片手にランクアップするときが大変大きな壁となっているように感じるし、また競技会を見ても殆どのライダーが両手から片手になるとき、大変苦労しているように見受ける。
私が、インストラクティングしているとき一番指導し難いと思うときは、馬を出せない人の指導に当たるときだ。
つまり馬をライダーが動かしていない人、馬に前進気勢を与えられない人である。
人が上達するには、モチベーションが何よりも必要なファクターで、馬のトレーニングにしても、馬の前進気勢が最も必要なことで、前進気勢とは、モチベーションという言葉に置き換えることができるのではないかと思う。
そこで今月は、モチベーションをテーマにお話ししてみたいと思います。
モチベーションの起源は、生命維持機能だと考えており正常な生物であれば、あらゆる生物が持っているもだと考えられる。
そしてこのモチベーションは、その量の多少の違いこそあれ誰でもが持ち、減少したり増幅したりするものだ。
第2次大戦の時のドイツ軍の捕虜政策で、捕虜の意欲を阻害するために生産性のない労働を課した記録がある。
達成感や終了の伴わない労働である。
どういうことかいいますと、ある場所をスコップで穴を掘るよう捕虜に指示します。
捕虜たちには、穴を掘る目的を決していいません。そしてある程度掘ったところで、掘ることを止めるよう指示し、捕虜たちがほっとしているところで、すかさずその掘った穴を埋めるように指示する。そしてまた埋め終わったところで、そこでまたそこを掘るように指示する。
これは、終わりのないしかも達成感の伴わない労働だということです。
つまり終わりや達成感を伴わない労働は、如何に人のモチベーションを阻害するかということだ。
私は、人の成長や上達を期すには、モチベーションなくして成すことはできないと考えている。
あらゆる成長は、モチベーションが根源となるといっても過言ではない。
モチベーションは、全ての人が持っているもので、目的の達成感によって増減するもだということができる。
だとすれば、自分にあった目的を持つことが重要で、特にそのときのモチベーションの多寡にあわせた目的を設定して、事に望むことが適度な達成感を味わうことができて、その都度モチベーションを増幅させながら人生を送ることかできるわけである。
目的設定がモチベーションに比べて、大きすぎたり小さすぎたりして、達成感を感じることができない時間が長期化すると、モチベーションを減退させてしまうことになりかねない。
乗馬のインストラクターにとって、最も重要な関心事とならなければならないのは、ライダーのモチベーションなのだ。
特に初心者ほどモチベーションが少ないといっていい。
ライダーがどのくらい上達したかという実感で、達成感を感じ取ることができるのかを、インストラクターが見極めて、指導プログラムを組むことが何よりも重要だと思わなければならない。
ライダーにとってどの程度の負荷になるのかをその人が持つモチベーションと密接な関連性を意識して、インストラクターは、指導内容を考えなければならないということだ。
また、自分自身が自分のインストラクターである場合も同様であり、精神的疲労感は、そのアンバランスから引き起きるので、そのまま続けると肉体の故障につながる危険をもたらす。
乗馬は、他のスポーツと違って、ライダーにそれだけの技量がなくても、馬の訓練ができていればやれてしまうということがある。
例えば、初めて馬に乗る人でも、駈歩でも決して暴走しないように調教しておくことによって、初めから駈歩で乗せることができる。
この初めて乗るときのライダーのモチベーションは、大変減少し易い状態だと思って間違いない。
このとき大多数の乗馬クラブは、自分のところの馬の調教が浅いのを棚に上げて、乗馬の小理屈をこねて、速歩や軽速歩等や部班で延々乗せている。
草原を颯爽と馬に乗ることを想像して馬に乗りに来ているのに、こんなことをさせているので、忽ちモチベーションを消耗して、乗馬にうんざりして止めてしまう。
ある雑誌で読んだことがあるが、ある乗馬クラブが年間5、000人の誘客に成功しているという。
そして年間4、000人が止めてしまうという。だから差し引き年間1、000人の乗馬人口を創造しているという称賛の記事であった。
馬鹿げた論理といわざるを得ない。
統計上 人間が他人に、良いことがあった場合は4人に、悪いことがあったときは10人に言うと言われている。
これらから類推すると、このクラブは、年間4、000人(1、000人×4)の潜在的乗馬人口を誘引し、40,000人(4、000人×10)の潜在的人口を失っているという計算になる。
乗馬を始めた人ばかりでなく全てのライダーにいえることは、何らかの上達を実感できるような環境で乗馬を楽しめなければ、すぐにモチベーションが消耗してしまうということだ。
モチベーションを増幅させながら乗馬を続けることができるような、馬とインストラクティングのプログラムがどうしても必要なのである。
まずそのための馬とは、どのようなトレーニングによって作り出せるのであろうか。
この場合、とても重要なファクターは、馬の選定である。
馬の選定については、これまで何度も血統が大事だとか又サイアーとダムの組み合わせなどと言ってきたことなのでこの際省くこととする。
ここでは、トレーニングについて述べたい。
馬の調教法には、大きく分けて2つの方法があると私は考えている。
正解法と消去法の2つだ。
どちらも私が名付けたものであるが、正解法とは、簡単に説明すると、
例えば馬にスローな駈歩をさせたいとした場合、ハミでホールドして馬がスローに走らなければならないように強制して、馬がスローな駈歩をしたときリリースして褒めるという方法だ。
大変多くの人が行っている調教法だ。
この調教法で仕上げた馬は、ライダーの技量によって反応が著しく異なる場合がある。
何故ならライダーが上手にハミをホールドできなければ、馬はスローな駈歩をしないだろうからである。
日本では、正解法で仕上げられた馬が圧倒的に多いので、インストラクターがライダーの欠点を指摘しながら指導することになってしまっているのだ。
わたしは、馬が若い場合の初期調教では、良く正解法を行使するがフィニッシュ段階では、消去法に多くの事を切り替える。
その消去法とは、先ほどのスローな駈歩を馬にさせるときには、ハミをホールドしないでルーズレインでまず駈歩をする。この時馬が速いスピードになってしまったら、ゆっくりとインサイド(左リードであれば左)のレインを引いて徐々に小さい輪乗りにして最終的には常歩になるまで、輪を小さくする。
常歩になったら再びルーズレインで駈歩をする。
それで又スピードが速くなったら、又同じように常歩になるまで小さい輪乗りをする。そしてまたルーズで駈歩をする。
このことを馬がスローな駈歩を馬自身が選んで、ゆっくりと走るようになるまで行うのである。
この調教方法では、馬自身がゆっくりと走ることをチョイスして走っているので、比較的ライダーの技量に左右されないのである。
この方法によって作られた馬で、初心者をレッスンするならば、ライダーを褒めながら続けることができて、ライダーのモチベーションと技量を同時に増幅させながらできるのである。
この消去法という調教法は、決してテクニカル的に難しいことではなく、トレーナーが馬の心理と話をしながら調教しようという意志を持つことによって、可能になるのである。
これは、例え話としてスローな駈歩をテーマに説明しましたが、あらゆる運動を調教することに応用ができることなのである。
私が全国のインストラクターたちの講習会に行くたびに、言うことがあります。
それは、ライダーができないことをレッスンしてはいけません。
ライダーができるであろう事をレッスンすることが重要なのだと、もしそうするならば、インストラクターたちは、ライダーを褒めながらレッスンをすることができます。
そしてライダーのモチベーションを高めることができ、もっと高いレベルのことを容易に可能にすることができるはずなのだ。
ライダーのスキルアップにとても必要な要素は、運動神経やセンスなんかではありません。ライダーのモチベーションなのだ。
また、ライダーが今知っていればできることを的確にすることが、馬といいコミュニケーションをとれる唯一の方法なのだ。
馬のフィニッシングトレイニングを消去法にすることと、ライダーのモチベーションの維持増幅は密接な関係を持ち、そうすることによってレッスンの風景が変わり、乗馬が誰にとってももっと楽しく充実したものとなるのです。


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