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今朝は、蒸し暑さを感じるほどの湿度です。
馬場は、ベスコンディションです。
今日は、2026年のショーシーズンのスタートです。
The 19th PBC 1st Scene 2026
今日は、11:00よりペイドウォームアップで、その後に、One Day Before AncillaryClassです。
「馬の柔軟性」
馬の柔軟性とは何か。
一体その正体はどういうものなのか、長年の謎なのである。
柔軟なものは、種々雑多であるが、科学的にいえば、物体の分子構造の結合状態によって硬軟があり、結合に緩みがあれば柔らかく、結合に緩みがなければ硬いということだそうである。
しかし、果たして馬の柔軟性は、そのようなものなのであろうか。
例えば、ストレッチ運動によって、馬の肉体の分子構造の結合状態が変化して、柔軟性を増すということなのであろうか。それとも、腱や筋肉の緊縮状態なのであろうか。また、馬のメンタル上の従順性によるものなのであろうか。
上記のそれぞれの要素がないといわないが、馬の柔軟性の主たる要因は、そのようなものとは全く違うのではないか考えたのである。
その考えは、馬の柔軟性の正体は、バランスの対応力なのではないかということである。
馬は、馬体の形状の変化、つまり、フレームワークやその変化によって、質量の中間点である重心の位置は変化し、これに伴って馬は、重心の肩寄りを、筋力などを行使し馬体を変化させ是正して、バランスを取っているのではないだろうか。
ものが動くということは、重心が移動するということであるが、重心が移動しても必ずものが動くということにはならないのである。重心が移動しても、重心の位置が支持点を超えるまではものは動かず、支持点を超えたときにものが動くのである。
そしてまた、ものの動きは、重心の動きが継続するとき、アンバランスと安定とを繰り返しているのである。
例えば、馬が走るということは、頭が動いて重心が動き、アンバランスとなって、アンバランスを是正するようにステップして安定し、再び馬の頭が動いてアンバランスになり、そのアンバランスを是正するためにステップして、安定することを繰り返しているのである。
つまり、アンバランス→ ステップ(安定)→アンバランス→ステップ(安定)を繰り返して、走っているのである。
アンバランスとなったとき馬は、ほぼ反射的にフィジカルでこれに対応して安定しようとするのである。従って、アンバランスの状態では、馬の腱や筋肉は緊張して、このアンバランスに対応し安定しようとするのである。そして、安定したときに腱や筋肉は緊張状態から緩和状態となるのである。
ライダーが馬に騎乗しているとき、走行状態でも停止状態であっても、馬はバランスを取っているのである。
ライダーが、レインや脚を操作して、馬のメンタル活用して馬体を曲げたり動かしたりすると、アンバランスになるがレインプレッシャーを含む力でバランシングして、倒れずにいるのである。このときレインをリリースすれば、レインプレッシャーの力が失われるので、再びアンバランスになるので、レインプレッシャーの力が失われてもバランシングできるように、曲げた馬体が元に戻るのである。
平衡感覚とは、絶えず安定状態への移行を促すベクトルを持つ機能なのである。
バランスを取っている状態、つまり安定状態には、ナチュラルバランスとパワーバランスとの二つがあると考えている。
外的力の助けのない状態でバランシングしているのを、ナチュラルバランスといい、外的力を加えてバランシングしているのをパワーバランスと定義づけてみたのである。
例えば、レインを引いて馬の首を曲げたとき、レインを引いている状態では、そのレインの力を加えてバランシングしているので、パワーバランスなのであり、このときレインを緩めても馬が首を曲げたままにいるときは、レインの力を受けずにバランシングしているのでナチュラルバランスなのである。
レインを引いて馬の首を曲げたとき、パワーバランスの状態で、このときレインをルーズにすれば、馬の頭は元の位置に戻ろうとするのである。戻ろうとするのは、ナチュラルバランスに戻ろうとしているのである。
つまり、レインを引いて首を曲げているときは、レインの力を加えてバランシングしているので、レインをルーズにするとそのままではバランスが取れなくなるので、馬は頭を、首を曲げる前の位置に戻してバランシングするのである。ナチュラルバランスに戻ろうとするということである。
ライダーが、レインや脚を行使したときに柔軟に感じるのは、馬が腱や筋肉を行使していないときで、つまりナチュラルバランスの状態なのである。
つまり、パワーバランスの状態は、腱や筋肉の緊張状態で、この状態のときに、ライダーがレインプレッシャーや脚によるプレッシャーを馬に与えたときの接触感は、抵抗感や重さや硬さを感じとることになるのである。
このとき、馬がスピーディーにバランシングしてナチュラルバランスへ移行すれば、腱や筋肉は緊張状態から緩和状態へと移行することになるのである。
ナチュラルバランス状態は、腱や筋肉の緊張度が最小値になり、この状態でライダーがレインプレッシャーや脚のプレッシャーを馬に与えたときは、プレッシャーの接触感は柔軟なのである。
馬のバランシングの対応力とは、アンバランスを是正するために、ナチュラルバランス状態に移行する機能で、その機能は二つに区分することができ、一つは、馬体を元の形状に戻してナチュラルバランスを取る場合、もう一つは、アンバランスの馬体の形状を維持したまま、馬体の他の部分を変化させてナチュラルバランスを取る場合である。
従って、ライダーの騎乗時に、ライダーが馬に求める様々な運動において起きるバランスの変化に、馬の対応力が、馬の柔軟性に大きく関わっていると考えられるのである。
ライダーが求める様々の運動によって起きるバランスの変化に、馬の対応力が遅ければ、ナチュラルバランスへ移行する時間がかかるので、腱や筋肉の緊張度が最小値になるのに時間を要し、その間は、ライダーが馬にかけるプレッシャーの接触点では、重かったり硬かったりと感じるのである。
また、馬の対応力がスピーディーであれば、ナチュラルバランスへ移行する時間が短いので、腱や筋肉の緊張度が最小値になるのが速いので、ライダーが馬にかけるプレッシャーの接触点では、軽かったり柔らかかったりと感じるのである。
馬の柔軟性の正体は、馬のバランスの対応力で、つまり、ナチュラルバランスへの移行時間が、短ければ馬は柔らかく、長ければ硬く感じるのである。
従って、馬を柔らかくするには、馬体を曲げてバランスを崩し、素速くプレッシャーをリリースし、馬が元に戻ろうとするとき直ちにプレッシャーをかけて戻るのを阻止し、直ちにプレッシャーをリリースする。
このようにすることで、馬は馬体を曲げた状態でナチュラルバランスに移行としようとするのである。
このトレーニングにおいて注意しなくてはならないことは、トレーニングの目的が馬のバランスの対応力のスピードなのである。
馬体を曲げてバランスをくずすときのスピード、プレッシャーをリリーススするスピード、馬が元の形状に戻ろうとするとき、これを阻止するときのスピードの3つの行為のスピードが素速くなくてはならないのである。
もし、この3つの行為のスピードが遅ければ、馬のバランスの対応力は、スピーディーなものとはならないので、ナチュラルバランスへ移行する時間が短くならないために、腱や筋肉の緊張度が最小値になるのに時間を要することとになり、馬は硬いままとなって、トレーニングの効果がでないのである。
アンバランスを厳密に区分することはできないが、垂直方向と水平方向のアンバランスがあると考えることができる。
三角形で、支持点と重心との相関関係を考察してみれば、三角形の底辺が長ければ長いほど安定性が高くなり、短ければ短いほどアンバランスになり、底辺の頂点が支持点となり、支持点が三角形の頂点から水平方向に遠ざかる、つまり底辺が長くなると、支持力が大きくなって安定性が高くなる。その逆に、三角形の頂点に、支持点が水平方向に近付くと、支持力が小さくなり安定性が低くなるのである。
そこで、馬体の構造上から考えると、垂直方向よりも水平方向の方がアンバランスになりやすいといえるのである。このような特徴を見れば、水平方向のバランスの対応力を養成すれば、馬は柔軟になる割合が高いのではと考えられるのである。
水平方向のプレッシャーによって、馬がアンバランスになりやすいということであれば、水平方向のアンバランスに対する対応力が増進されれば、馬は柔軟性が高まることになると考えることができるのである。
そこで、ビットにはスナッフル(水勒)とカーブビット(大勒)の2種類があり、スナッフルは、水平方向のプレッシャーがかかりやすく、カーブビットは、垂直方向のプレッシャーがかかりやすい特徴があるのである。
馬のトレーニングとしての違いは、馬にとって水平方向のプレッシャーの方がシンプル
で分かり易いので、若い馬や初期調教の段階にスナッフルが多用されるのである。
そして、初期調教からフィニッシング調教の段階に入ると、スナッフルからカーブビッ
トに切り替えて使うのは、カーブビットは梃子の作用だから、水平方向と垂直方向とのプレッシャーが組み合わされて複雑になり、この段階になってから使われることが多いのである。
もう一つは、馬を柔軟にしようとしたとき、アメリカの多くのトレーナーが、古馬であ
っても、スナッフルを使うことがあるのである。また、自分の経験上でもスナッフルにした方が、馬の柔軟性をチューニングしやすく感じるのが何故なのか長年の謎であった。
それは、馬のバランスの対応力を強化するには、アンバランスになりやすい水平方向の
プレッシャーのかけやすいスナッフルの方が、カーブビットより適しているということで
ある。
従って、馬のバランスの対応力を養成することが、馬の柔軟性を作ることなので、水平
方向のプレッシャーをかけやすいスナッフルが多用されるということである。
馬の柔軟性は、バランスの対応力のみで語れるほど単純なものではなくて、精神状態や性格や訓練度や腱や筋肉の状態に大きく左右されるのも事実あり、これらの要因を考慮しなければ、とても馬を柔軟にすることはできない。
しかし、馬の精神性や性格などは、バランスの対応力、つまり、不安定から安定に移行する能力が大いに関わっているのではないかと考えられる。
例えば、馬が緊張しやすく、何時もピリピリしている場合、また、もの見して絶えず警戒心が働きライダーにコンセントレーションしない場合、更には、ライダーが与えるプレッシャーにも敏感に反応して、興奮したり混乱したりしやすい場合など、何れにしても、アンバランスからバランシングする能力を高めることで、多くの場合解決することができるのも注目して然るべきことなのではないだろうか。
これらを勘案すると、馬の性格を形成している要因を、一概に言えないことも承知しているが、多くの要因がバランスの対応力に起因するところが大きいのでは考えられるのである。
つまり、馬の平衡感覚が、精神的不安感や混乱や興奮を引き起こしているのではないかということである。これらの馬のバランスの対応力を訓練すると、可成り矯正しうることからも、生命維持機能の平衡感覚が起因していると考えることとで、馬の性格や行動パターンが推測できるのである。

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