Arena Condition(乗馬の駈歩相談室)

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今朝は、曇っていて風はなく、湿度が高めです。

 

馬場は、ベストコンディションです。

 

 

「運動の連続性と断絶性における馬の関連思考」

 

馬の関連思考と「運動の連続性と断絶性」との関係性について考察してみたいと思う。

 

前進しているとき、その前進モードを維持したまま、左回りから右回り、右回りから左回りへと進行方向を変えたり、左サークルの回転半径より小さくしたり、より大きくしたりすることは、前進運動の連続性として捉えることができる。

その一方として、左回りから右回りに変換するとき一旦停止したり、サークルの軌道を変化させるとき一旦停止したり、前進からバックアップへ、またはバックアップから前進へと切り替えることは、運動の連続性が失われることであり、運動の断絶が成されたということなのである。

 

馬のトレーニングするとき、関連思考を活用しなければならない。

特に、ウエスタン乗馬の場合は、ルーズレインという操作法を展開するので、馬のメンタルを活用し、複数の事象を関連づけて馬に学習させるのである。

 

その代表的なものは、ネックレインである。

ネックレインとは、馬に対して片方のレインをネックにタッチさせた直後に、強制力として反対側のレインを引っ張ったり脚でプッシュしたりして、後に片方のレインをネックにタッチして、ライダーの要求を馬に反応させることをいうのである。

 

例えば、スピンをさせるとき、外方のレインをネックにタッチし、その直後に内方レインを引いてスピンをさせる方法である。これを数回繰り返せば、外方レインをタッチするだけで馬はスピンをするようになるのである。また、外方レインをタッチした直後に、内方レインを引いてサークルの軌道を小さくする。このことを数回繰り返すことで、馬は外方レインをタッチするだけで、サークルの軌道を小さくするのである。

 

また、馬をストップさせるとき、「Whoaウォー」と発声してレインを引かずにストップの要求をするのである。そして、馬がストップしなかったとき、レインを引き馬をストップさせるのである。これを数回繰り返すことで、馬がレインを引かずに「Whoa」というだけでストップするようになるのである。

馬は、「Whoa」と反省することで、レインを引かれること予想して、レインを引かれる前にストップするといことである。

 

この原理は、二つのシグナルを少しのタイムラグをつけて馬に伝えることで、馬は、最初のシグナルがあると次のシグナルを予測して反応するようになるのである。

これらのことが、馬の関連思考を活用したトレーニングである。

 

この関連思考は、能力によって適応できる時間が異なるのである。適応時間の長いほど能力が高いのである。つまり、能力の高低は、複数の事象を関連づけられる能力ともいえるのかも知れない。

犬や猫でも2秒間といわれるぐらい、2つの事象を関連づけることは、とても短い時間でしかないのである。馬も同様で、二つのシグナルを関連づけるのは、二つのシグナルの間隔がとても短い時間でしかないのである。しかし、タイムラグは、絶対に必要な時間のズレで、このタイムラグがなかった場合は、次のシグナルを予測することができなくなってしまうのである。

 

この関連思考という観点で、運動の連続性と断絶性を考察してみたいのである。

 

講習会で地方に伺ったとき体験したことであるが、駈歩をすると暴走してしまう馬がいたのである。

その講習会の生徒でもあったライダーは、一生懸命馬を大人しく走るようにレインを引っ張って、悪戦苦闘していました。しかし、どうしても大人しく走ってくれません。

 

私は、これを一緒に観戦していた6~7人の馬のトレーナー達と、どうしたらあの馬が静かに走るようになるかという話をしていて、誰もお手上げだったのです。そこで、私は、20分以内で、私が一回もその馬に乗ることなしに、その生徒が乗って、ルーズレインで大人しく走らせてみせるといったのである

 

私が指示したことは、ルーズレインで歩くことから始めたのである。

常歩が速くなったら小さく巻き乗りをして、ゆっくりとした常歩にし、ゆっくりとした常歩になったらルーズレインにして大きなサークルをするように指示したのである。これを繰り返すこと5~6分位で、ルーズレインのまま馬はゆっくりと常歩をするようになったである。

つまり、これは、前進モードを維持したまま、ゆっくり歩かざるを得ない小さなサークル運動へ徐々に移行したのである。これを何回も繰り返したのである。

 

そして、その次に速歩をするようにして、速歩も常歩と同じように、速くなったら小さく巻き乗りをして、常歩になったらルーズレインにしてサークルの軌道を大きくし速歩をする。これを5~6分繰り返すと、その馬はルーズレインのままゆっくりと速歩を続けられるようになったのである。

ここまでに、約10分程度かかったのである。

そして、駈歩に取りかかったのである。

駈歩でもこれまでと同様に、ルーズレインで駈歩をして、速くなったら直ぐに巻き乗りをして軌道をどんどん小さくして、馬が常歩をせざるを得なくなるまでにし、常歩になった軌道を元に戻してルーズレインで駈歩をする。これを繰り返すこと5分程度度で、この馬はルーズレインでゆっくりと駈歩を続けるようになったのである。

 

以上のことは、馬の関連思考と運動の連続性とに大きな関わりがあることを示しているのである。

 

これは、駈歩が速くなることが、ライダーに望まれていないことという関連思考を馬ができるかどうかという問題なのである。

駈歩が速くなったときに、止めたりバックアップしたりすれば、運動の連続性が絶たれ関連思考ができなくなるということであり、巻き乗りをして軌道を小さくすることは、運動の連続性が保たれ関連思考ができたということなのである。

 

馬の関連思考は、複数の事象の時間差と運動の連続性に大いに関わりがあるということなのである。

 

つまり、馬は、二つの事象に時間的間隔が短くなければ、その二つを関連づけて学習することはできないということであり、また、二つの運動に連続性があることで、関連づけて学習して、断絶すれば、関連づけることはでき難いということなのである。

 

馬に二つの事象を関連づけて学習させる場合は、タイムラグがなければならないのであり、しかし、そのタイムラグが長くなれば関連づけることができなくなるということなのである。更にまた、二つの運動に連続性があれば関連づけることとなり、断絶すれば、関連づける可能性は小さくなるということである。

 

関連思考は、様々な事象で見られるが、ストップする場所を何時も同じ場所で行っていれば、場所とステップを関連づけて、その場所に来るとストップするようになってしまうし、チェンジリードもまた同じ場所で行っていれば、その場所でリードチェンジするようになってしまうのである。

また、ライダーがストップの前に何時も緊張して力んでしまえば、ライダーが力むことで馬はストップをするようになるのである。

 

馬が馬運車に乗るのを拒否したり、洗い場に入るのを拒否したりしたとき、これを矯正するには、この関連思考を活用することが最適なのである。

日本では、馬が馬運車に乗らなかったり洗い場に入らなかったりしたとき、馬を威嚇したり追い込んだりして、強要しようとして、却って拒否することをメンタル的に固定化してしまうのをよく見かけるが、馬の調教として未熟極まりないことである。

 

この場合は、馬運車や洗い場を拒否したら、その場所から少しだけ離れて、追い運動をして労苦を与えるのである。そして、再び馬運車や洗い場に行き、馬が立ち止まれば、また少しそこから離れたところで追い運動をし、また馬運車や洗い場へ行き、立ち止まったところから一歩でも前に進んだら、そこで愛撫したり休ませたりして、再度そこから離れて追い運動をします。決して、強制的に馬運車や洗い場に入れようとはしません。

これを繰り返すことで、馬運車や洗い場は心地良い場所で、離れたところは労働させられるところとなり、「こっちの水は甘く、あっちの水は辛い。」ということになるのである。

 

更に、馬運車でも洗い場でも、一旦入ったら洗ったり馬運車で運送したりしないで、馬が何の嫌な素振りを見せずに馬運車だったら乗り降りしたり、洗い場だったら出入りしたりするようになってから、馬を洗ったり馬運したりするようにするのである。

 

関連思考は、馬のトレーニングにおいては、大いに活用すべき要素と考えられるが、複数の事象のタイムラグの時間的間隔と運動の連続性を考慮しなくてはならないのである。

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