Arena Condition(乗馬の駈歩相談室)

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AM 9:35 Temperature 28.9℃ Humidity 52% 晴れ    July 27,’26(Monday)

 

今朝は、何時もより気温が低めで、そよ風が吹いていて、過ごしやすく感じます。

 

馬場は、ドライです。

 

人が馬に乗った時、地上にいるときと違うことがあります。

 

それは、人が地上にいるとき、例えば、バケツを持ち上げようとしたとき、その支点となるところは、人の意識に関係なく無意識に、合理的場所に位置します。

 

バケツが重ければ、人がバケツに近付くし、軽ければそのままというように、合理的な場所に支点が半自動的に決まります。

しかし、人が馬上にあるときはどうでしょうか。

 

ライダーがレインを引き上げたとき、馬になんらかの要求をしようとしています。このとき、その要求を実現するために、合理的場所に支点が無意識に位置するでしょうか。

 

例えば、レインをサークルの内方へ引くとき、内方脚を腹帯の近くに当てると、レインを内方へ引いても、馬の肩が内方に動けないので、後駆が外方へ反作用として動くことになります。

 

しかし、このとき内方脚を内方の腹帯近くに当てていても、ここが支点になっていなければ、後駆が外方へ動く反作用がおきません。もし、外方脚が支点になると、馬の肩は内方へ動くことになるのです。

 

つまり、作用点で同じ力を加えていても、支点の場所が変われば、その結果、馬の反応は全く違うものとなってしまうのです。

 

しかし、ライダーが地上にあるときのように、作用点でレインを引いても、レインを引く目的を実現するために合理的に支点が位置することにはならないのです。

 

何故なら、ライダーは馬の背にあるとき、バランスを取っているからです。

 

つまり、ライダー自身の体重が作用点となっているので、これを支えるために合理的に支点が位置してバランスを取っているので、馬に対する要求のために、作用点が働いたとき、自動的にライダーのバランスのための支点が、馬に要求するために作用点のために合理的なところに支点が位置することはないのです。

 

従って、ライダーが意識的に支点をおいて、自分自身のバランスのための位置ではなく、馬に対する要求のためにかけるプレッシャーのための合理的位置に支点を置くようにしなければ、要求が実現しないのです。

 

日本ライダーは果たして、どれくらいこの問題を理解している人がいるでしょうか。

 

ライダーがかけるプレッシャーは、必ず何処かに支点が生まれています。

 

もし、ライダーが無意識であれば、ライダーのバランスのための支点になってしまうのです。

しかし、ライダーが思っているところに支点を置いて、作用点に力を入れる場合は、支点とするところを基点とするように、例えば、支点を外方脚または内方脚に置きたい場合は、「支点の」と意識するように、または、支点が内方脚であれば、内方脚から作用点の手までの全部の関節をロック(固定)して、作用点に力を入れるようにすれば、意識的に支点を位置させることができます。

 

何故、このようなことを書いているのでしょうか。

 

それは、多くのライダーがレインを引くとき、自分自身の重心に向かって引いているからなのです。

 

ライダー自身の重心へレインを引けば、作用点の力が支点に向かい、支点の力が作用点に向かうようになるのです。

つまり、レインを引く力がライダーの重心に向かって、ライダーの重心が支点となって、その支点の力が作用点に向かうことになり、直線のモーメントが生まれるのです。

 

従って、作用点と支点によって直線モーメントが生まれれば、この二つの力は、押し合いまたは引き合うこととなって、一本の棒状の物体にこの直線モーメントが働けば、この棒が曲がったりしないのです。

 

これと違って、作用点が支点以外のところへ向かえば、支点の力は作用点の力と平行になり、回転モーメントが生まれます。

 

例えば、レインを真上に引き上げれば(作用点)、その支点であるライダーのシートは、作用点と平行になるので、真下へ向かう力が働くのです。

 

この場合、馬の頭を左端において左側面から俯瞰すると、右回転モーメント生まれるので、馬が収縮することとなるのです。

 

つまり、レインをライダー自身の重心以外で、しかも支点以外のところへ向かうようにすることで、支点となったところの力が作用点の力と平行となり、回転モーメントが生まれるので、馬体を自在に曲げることができて、内方姿勢や収縮を形成できるのです。

 

しかし、日本の乗馬界では、支点を意識的にコントロールする考え方がないので、ライダーがバランスを取るための支点になってしまい、回転モーメントを活用していないので、手だけ使っていて脚が足りないなどという非論理的指導がまかり通ってしまっているのです。

 

この世の中に手だけ使えるライダーは存在しません。

手を使うときは、シートや脚が支点にならずには、手を使うことはできません。

 

車のエンジンでも電気のモーターでも、全て回転モーメントで仕事をしているのです。

 

日本の馬術界は、回転モーメントを作り出して、馬体を自在に曲げることができるようにならなければ、発展することはありません。

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