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今朝は、どんより曇っています。
今日は、昭和天皇の誕生日で、「昭和の日」です
馬場は、奥に大きな水溜まりがありますが、外はほぼベストになりました。
「乗馬のための思考法」具体性
乗馬のための思考法についての話を始めたいと思います。
先ず「間接正攻型思考法」から始めることにします。
人は、誰でも上手くなりたいし、また他の誰よりも上手いという優越感を感じたいと思っている。
只、人によって、その意識が強いか弱いかの差があるということだ。更にまた、競争するプレッシャーに、よりモチベーションが増幅する人と、めっきりそのプレッシャーに弱い人がいる。
そこでそのようなプレッシャーと精神的葛藤をすることなく目的を達成するために、考えたのが「間接成功型思考法」である。
またこの考え方は、このプレッシャーに強い人にとっても、目的達成のために直情的になりがちな人に、大局的ものの見方ができるようになって、ゆとりある精神状態で目的達成を試みることが可能になる。
例えば乗馬する目的として、上手くなりたいとか競技で優勝したいとか馬のトレーニングができるようになりたいとかがある。
その目的を達成するために、ダイレクトにその目標に向かって努力するのでなく、もう一つ別の目標を設定して、その新たに設定した目標を達成することによって、本来の目標を達成するという考え方なのである。
この思考法は、目標達成するためになりがちな精神的疲労を軽減できること、目標設定そのものを客観的にゆとりのある精神で絶えずチェックしながら、ゴールそのものよりその過程に、充実感を味わいながら経験を積み重ねることができるのである。
単純な例を挙げてみると、例えば「乗馬が上手くなりたい。」という目標があるとすると、もう一つ別の目標を設定する。それはルーズレインでスムースなガイドができるような馬に、トレーニングするという目標を持つ。
最初の目標は少しの間横に置いて、新たに設けた目標を如何に達成するかをプログラムして実際に行う。するとルーズレインでスムースにガイドできる馬に調教できたとき、同時にライダーのスキルも可成り上達しているに違いない。
このときに新たに設けた目標の達成のために、トレーニングプログラムを作ることが重要で、そのプログラムを途中何回も組み直さなければなくなることも出てくることでしょうし、少なくてもそのプログラムについて、あれこれと思考を巡らさなければならない状況が、ライダーを結果として育てるし、それにプログラムに基づいて目標を達成することに意味があるのであって、偶然にできたとしてもその人にとって大きな意味を成さない。
新たな目標設定の要件は、最初の本来の目標達成が必然的に叶うような、目標設定が大切なのである。
自分の乗馬を楽しいものにしたいというのであれば、自分自身の上達を日々実感できるように、目標設定を大きなもの(1ヶ月/3ヶ月/1年といった長期展望)とその要因を分解した素因をより良くするという小さな目標(1回の騎乗の中で持つ短期展望)の2つを持って、乗馬をすることが間接成功型思考法で考え出した方法です。
簡単に言うならば、ライダー自身に対して目標を達成したいと思うなら、馬に対しての目標を持つことだし、馬に対して目標があるなら、ライダー自身に対しての目標を設定することが良いかもしれないということだ。
また論点を変えるとすると、馬が馬運車に乗らない場合、馬運車に乗せようとするのでなく、人について来るという馬にするというように考えることも間接正攻法である。
馬が人について来ることが容易になれば、それが馬場運車であってもついて来ることになって問題が解決する。
初心者のライダーを指導するときにもこの思考法が有効で、どんなスポーツでもいえることだが、運動反射神経による運動と大脳皮質による意識運動の2つを如何に融合するかということが上達に大きく関わってくる。
つまり意識的運動が反射神経運動に置き換えることができて初めて上達したといえるし、反射神経運動を如何に意識下においた運動と同等にできるかが永遠のテーマだ。
意識的運動を反射神経的運動の水準まで高めるのは、可成りの努力と正確なプログラムが必要なのである。間違った方法でどんなに努力してもできるものではない。
廻りくどくなってしまったが、初心者にとっては馬の背中でバランスをとるのが精一杯だ。
日本で一般的行われている初心者へのレッスンは、騎乗姿勢をとることだ。
私は、このことはナンセンスだと考えているが、そのことは別に置いておいて、もしライダーの騎乗姿勢を養成したいと考えるなら、バランスを養成することだ。
バランスを養成することによって、結果的に姿勢を作ると言うことだ。
何故なら初心者は、馬の背中で落ちないようにバランスをとるのが精一杯で、そこから来る不安に一生懸命耐えている状態だ。
それにまた、バランスは、脊椎中枢神経つまり反射神経が司っている代物で、大脳皮質では如何ともしがたいものなのだ。それをインストラクターが騎乗姿勢についてあれこれと注文をつければ、初心者は一生懸命大脳による意識的運動として、インストラクターの要望に応えようとする。しかし初心者は、要望に応えようとすればするほど大脳が反射神経機能を阻害して、バランスを崩し一向にインストラクターの要求に応えられないという循環を引き起こすのである。
先ず初心者が楽に乗馬を楽しむには、アンバランスから来る不安感からの解放が第一優先課題なのだ。
そこで初心者のバランスを養成するには、この間接成功型思考が有効になる。
ライダーの意識を馬に乗っているということから逸らすと言うことだ。
しかし意識を逸らすと言っても、大脳をより自分自身の体を使うために使うようにしてはならない。
そのライダーにとって、一番リラックスできることを連想させることが一番良い。
具体的には、草原を颯爽と馬に乗って走ることを夢見て乗馬を始めたのであれば、そのイメージを連想させたりするのが良いでしょう。
ライダーの意識を今やらなければならないこと、バランスをとることや馬をコントロールすることから別のことへ向ける。その結果リラックスしてバランスがとれて、不安から解放されて、今やらなければならないことができてしまうというわけだ。
私のアメリカでの経験だが、初心者を連れて行ったときに一緒に牛を追いかけるという状況になったとき、それまでアンバランスでやっと乗っていた人が、牛を追いかけ始めたらいつの間にか良いバランスで乗り始めたのだった。
それは、ライダーの意識が追いかけなければならない牛の方に気をとられて、それまでバランスをとろうと必死になっていたことから必然的に解放されてしまったからなのだ。
馬の調教でも、メンタルとフィジカルの両面をトレーニングするわけだが、そのどちらに力点を置くかついても、またパフォーマンスについても、例えばロールバックを良くすることでストップを良くするとか、直接的に目的達成をと考えるのでなく、間接的に達成しようと考えることが他の運動との関連性や、メンタルとフィジカルとの関連性を密接にしながら馬をトレーニングすることができる。
生物の精神が緊張と緩和をするのは、根源的にそのものが持つ生命に対してマイナス要因の場合は、緊張が起こりプラス要因には緩和が起こるというのが原則だ。
少し話が飛躍するかもしれないが、つまり生命の危機には緊張が起こりそれを避けようとし、生命の維持に繋がる要因に対しては緩和が起きるということになる。
従って精神作用の緊張と緩和は、生命維持機能の発露というように説明できる。
しかしこれだけだと自己犠牲を説明できない。
自然界に厳然と自己犠牲的現象は、存在する。
それは、繁殖行為において多く見られる。このことで自己犠牲を説明できることは、個の生命維持に対し、種の生命維持が優先する法則を持つということである。
このことと間接成功型思考とどのように関連するかどうか確証を持っているわけでないが、間接成功型思考とは、真の目標を達成するためにもう一つ目標設定して、新たに設定した目標を達成することによって、結果として真の目標を達成するということで、これは優しい人間になれとはアドバイスしにくいが、自分以外の人に親切にしろというアドバイスは容易にできる。
第三者のためなら言いづらいことでも、ある種勇気を持って敢然と立ち向かえるし、冷静に対処できるということも、個より種の生命維持が優先することとあながち関係ないとは言い切れないのではないでしょうか。

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