AM 8:50 Temperature 26.4℃ Humidity 58% 晴れ August 4,’26(Tuesday)
今朝は、気温が低めで風があります。
馬場は、ドライ状態です。
再三に亘って、ライダーは、物知的力で馬を動かしたり、その動きを制御したりすることはできません。
何故なら、馬体に作用点と支点が存在し、その二つの力が、逆向きで大きさが同じなので、相殺されててしまうからです。
しかし、ライダーは、物理的力のメカニズムで、馬を動かし、そしてその動きをコントロールしているのです。
人は、地上で物を引っ張ったり持ち上げたりするとき、作用点のことだけを意識して、目的を達成します。それは、無意識にバランス感覚が働くからなのです。
ものを持ち上げようとすれば、作用点に力がかかり、バランスが不安定になるのを支点の位置や力を加減して、無意識にバランス取るので、合理的な位置に支点を置き、作用点で作用させているのです。
つまり、持ち上げるものが重ければ、無意識にものの重心にできるだけ支点を近づけて、ものを持ち上げているという訳なのです。
人は、馬上でも無意識にこのメカニズムで、レインハンドや脚で、馬にプレッシャーをかけています。
しかし、このメカニズムは、地上のメカニズムと同じなので、ライダーは支点に対して無意識で、作用点で力を入れています。
支点を無意識のまま作用点で力を入れれば、作用点の力は、ライダーの重心へと向かうのです。それは、ライダーの重心へと作用点が向かうことで、バランスを維持できるからなのです。
しかし、このメカニズムは、ライダーのバランスを安定させるものでしかなく、馬体の姿勢形成には役に立たないのです。
馬体の姿勢形成にライダーは、物理的力の強制力を持っているにも関わらず、その物理的強制力を発揮できていないのです。
つまり、レインハンドや脚で馬にプレッシャーをかけて、馬体を曲げようとするときは、ライダーのバランスを維持するための支点の位置ではなく、馬体を曲げるのに有効な位置の支点が必要なのです。
例えば、内方脚を支点にしてレインを内方へ引けば、支点である内方脚によって馬の肩が内方へ移動できないので、馬の首は内方へ曲がることになります。
しかし、このときライダーが支点の位置を無意識に、レインを内方に引けば、ライダーの重心が支点になったり、レインを内方に引く力に対抗するために外方脚が支点になったりして、思うように馬の首は内方へ曲がることがないのです。
作用点と支点の関係性は、互いの力が逆向きでその大きさは同じで、作用点が支点へ向かえば、支点の力は作用点に向かいます。このとき、直線モーメントが生まれます。
作用点の力が支点以外のところへ向かえば、支点の力は作用点の力と平行になります。このとき、回転モーメントが生まれます。
この回転モーメントを馬上で作ることができれば、馬体の姿勢形成が容易になるのです。
例えば、収縮を形成する場合、ライダーは、ハミで馬の頭をホールドとして、脚で馬を推進すると多くの人は理解されていることでしょう。
そして、手ばかり働かせて、脚が足りないとお叱りを受けているのが日本の乗馬界です。
このとき、ライダーの意識は、馬を収縮させようと手と脚の二つを意識しなければと懸命になります。
二つのことを同時に意識することは、普通の人間は不可能なのです。結果として、作用点であるレインハンドは、ライダーの重心へと向かい、作用点とライダーの重心が向かい合う二つの力となって、直線モーメントが生まれて、収縮は形成できません。
このとき、ライダーがレインハンドを真上に向かって引き上げれば、自動的に支点がライダーのシートになって、その支点の力は作用点の力と平行になるので、馬の背中を真下へ押し下げることとなります。(馬の背を真下へ押し下げようと思う必要はありません。)
このとき、馬の頭を左に置き馬体を真横から俯瞰すると、馬の頭頂を真上に向かう力を発生させることによって、自動的に馬の背を真下へ押し上げる力を生み出し、右回転モーメントが生まれます。
この右回転モーメントが馬の収縮を形成する力となるのです。
作用点と支点の二つの力は、一対で別々に存在するものではありません。従って、作用点で力を加えれば、同時にライダーが意識しなくても支点の力は働くのです。
このときに最も重要なことは、支点の位置をライダーのバランスを整えるためのもではなくて、馬体の姿勢形成に最も合理的位置に支点を位置させることをコントロールする能力がライダーに必要なのです。
日本の乗馬界にこれらに対する理解がないのが、日本の乗馬のレベルが上がらない最大の要因なのです。


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